学校は夏休みが終わり、2学期が始まっています。高校生などは、2学期が始まって早々に試験があったところも多く、今週はストレスの多い一週間だったのではないでしょうか。中高生にとって、1年の中でも特にストレスを感じやすいのが、この夏休み明けの時期です。夏休みの間は、長期間学校から離れて、自分のペースで生活することができます。それが9月になると、再び集団生活に戻り、朝早く起きて学校へ行き、授業を受け、さらに試験や宿題などにも対応しなければなりません。大人でも、長い休みの後に仕事へ戻るのは少し大変なものです。まして中学生や高校生にとっては、かなりの負担になることがあります。
この時期になると、「急に朝起きられなくなった」「頭が痛くて学校に行けない」「お腹が痛くなって、登校しようとしてもできない」といったお子さんが増えてきます。当院にも、今週はそうした相談がかなり多くありました。こういう場合、頭痛だからといって痛み止めだけを処方したり、腹痛だからといって胃薬だけを飲ませたりしても、なかなか問題の解決にはつながりません。もちろん身体的な病気が隠れていないかを確認することは大切ですが、学校に行くことそのものが大きな負担になっている場合もあります。ところが、本人に「学校で何か嫌なことはない?」と聞いてみても、「別にありません」「特にストレスはありません」と答えることが少なくありません。本人も自分では気づいていないことがあります。意識の上では「大丈夫」と思っていても、心や体は学校生活を負担に感じていて、それが頭痛や腹痛、朝起きられないといった身体症状として表れていることがあります。いわゆる心身相関です。
そして、こういうときに保護者の方が一番やってはいけないのは、「なんで学校に行けないの!」と、ガミガミ叱ることです。本人も好きで休んでいるわけではありません。体調が悪くて行けないのですから、まずはその状態を理解してあげることが大切です。どうしても困った場合には、ぜひ医療機関に相談してください。身体的な病気がないかを確認したうえで、睡眠や自律神経、ストレスなど、いろいろな角度から対処法を考えていきたいと思います。
それにしても、9月に入った途端に、日の出が遅くなり、日の入りが早くなったことを実感します。私は毎朝5時に起きて、10分ほど犬の散歩をしています。ついこの前までは、5時でも少し明るくなっていましたが、今はまだあたりは真っ暗です。帰宅後に夕方の犬の散歩をするときには、懐中電灯を持って歩いています。こうしてみると、夏から秋へと季節が変わっていることを実感します。
日照時間が短くなってくると、人間の気分にも影響することがあります。特に秋から冬にかけては、気分が落ち込みやすくなったり、活動性が低下したりする「季節性うつ」のような状態がみられる方もいます。また、日光を浴びることは、体内でのビタミンD産生にも関係しています。ビタミンDは骨の健康だけでなく、気分の安定や免疫機能などにも関係していることが分かっています。
実際、9月に入った今週は、早速、新しくうつや不安を訴えて受診された患者さんが増えました。一方で、インフルエンザの患者さんも見られました。これから秋が深まっていくにつれて、心の不調を訴える方も、感染症の患者さんも、少しずつ増えてくる可能性があります。天気の良い日は、昼間の明るいうちに10〜15分程度でも外に出て、散歩をしてみてください。
夏休み明けのこの時期は、心も体も「通常モード」に戻すための準備期間です。焦らず、しっかり眠って、きちんと食べて、昼間はできるだけ外に出る。
そんな生活を心がけて、元気に秋を迎えていただきたいと思います。
