地震から1週間が経過し、10年前の本震のような大きな地震が来るかもしれないという警戒期間も、無事に過ぎました。
そのためかどうかは分かりませんが、今日の外来患者さんはいつもにも増して多く、忙しい一日でした。訪問診療の患者さんを合わせると、なんと120名にも達しました。
来院された皆さんとお話ししてみると、意外にも「調子いいです」と元気に答えてくださる方が多く、スムーズに診療を進めることができました。
昨日までは、地震の話や大変な思いをしたという話をされる患者さんが多かったのですが、不思議と今日あたりからはそうした振り返りの話も少なく、普段通りに過ごされている方が多い印象でした。
もちろん、住んでいる地域によっては甚大な被害を受けている方もいますし、ご家族や親戚が宇城や八代方面に住んでいる方もたくさんおられます。お話を聞くとお気の毒な状況もありますが、それでも皆さん前向きに前進しておられる姿が印象的でした。
一日一日を希望を持って過ごしていけば、なんとかなるものです。悲観せず、「なんとかなる」と思いながら、その日を過ごしていきたいものです。
また、自分の力だけではどうにもならないこともあると思います。そういう時は、役所など行政の力を借りたり、ご近所の皆さんと力を合わせたりしながら、解決策を探すしかありません。一人だけで思い悩まないようにしてください。
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今日の診療でもう一つ印象的だったのは、38℃を超えるような高熱の患者さんが少し増えてきたことです。
しかも、風邪なのか熱中症なのか、診察だけでは判断が難しい例が少なくありません。そこで採血を行い、炎症反応や白血球の動きなどを確認しながら、どういった病態なのかを考える必要があります。
インフルエンザや新型コロナの患者さんはほとんどいません。小児科ではRSウイルスやヒトメタニューモウイルスなどの感染症が出ていると聞きますが、大人ではそこまで詳しいウイルス検査をすることは通常ありません。
そのため、「夏風邪でしょう」とか「扁桃腺が腫れているので、そこから熱が出ているのでしょう」といった、やや漠然とした診断になりがちです。
ただ、採血のデータまで揃えば、ある程度は治療方針を立てることができます。熱中症なのか感染症なのか判断が難しい場合には、今後は積極的に採血で確認するようにしようかと思っています。
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さて、「風邪には葛根湯」とよく言われます。
しかし、漢方では風邪の症状や時期によって処方を使い分けます。
葛根湯は、体を温めて発汗させることで風邪を治していく処方です。そのため、寒気があって汗が出ていないような、冬場の風邪にはよく使います。
一方、夏の風邪では、すでに体が熱を持っていることが多く、葛根湯のように体を温める処方が必ずしも適しているとは限りません。
漢方では、こうした場合には「清熱」といって、体の余分な熱を冷ます方向の処方を使うことがあります。
例えば「銀翹散(ぎんぎょうさん)」などがその代表ですが、日本では医療用漢方として保険診療で使える処方が限られているため、一般の医療機関ではあまり馴染みがないかもしれません。銀翹散は現在、一般用医薬品としても販売されています。
私が夏の発熱や喉の炎症などでよく使う処方の一つに、「小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)」があります。
また、症状や体質によっては葛根湯を組み合わせることもあり、これに近い考え方の処方として「柴葛解肌湯(さいかつげきとう)」があります。
つまり、「夏風邪には葛根湯は絶対に使わない」ということではありません。漢方は症状や体質を見ながら、処方を使い分けることが大切です。
ただ、漢方の理論にあまり詳しくない方は、「夏の暑い時に、熱があるからといって、とりあえず葛根湯を飲めばよいわけではない」と覚えておいていただくとよいでしょう。
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