連日の猛暑が続いています。
今日も昼に訪問診療で外回りをしましたが、いつも混雑している道路は心なしか車が少なく、歩いている人もほとんど見かけませんでした。そのおかげで移動はいつもよりスムーズでしたが、街の様子はまるで正月やお盆のような静けさで、不思議な感覚でした。
それほどまでに、この暑さは日中の外出をためらわせるものになっています。
昼間に特別な用事がないのであれば、できるだけ外出は控えたほうがよいと思います。短時間でも体調を崩すことがあります。
今日、患者さんから、
「水分をしっかり取っていたから熱中症にはならないと思っていたけれど、少し外を歩いただけで頭痛と吐き気が出ました」
というお話を伺いました。
熱中症は、高温環境にさらされることで体温調節機能が破綻し、全身にさまざまな異常をきたす病気です。脱水があるとさらに悪化しやすくなりますが、水分を十分に摂っているからといって熱中症を防げるわけではありません。
「水分を飲んでいるから大丈夫」と油断せず、暑い時間帯の外出そのものを避けることが最も大切です。重症化すると命に関わることもありますので、十分注意してください。
また、
「エアコンが苦手だから夜はつけずに寝ています」
という方も少なくありません。
しかし、最近は夜になっても気温が30℃近くまでしか下がらない日が続いています。そのような室温の中で一晩過ごすと、眠れたとしても体は一晩中暑さにさらされ、体力を大きく消耗してしまいます。
熱中症は屋外だけでなく、室内でも起こります。就寝中の熱中症も珍しくありませんので、夜間も適切にエアコンを使用することをおすすめします。
特に高齢者では暑さを感じにくくなり、「寒い」と言ってエアコンをつけたがらない方をよく見かけます。しかし、本人は平気だと思っていても、体には確実にダメージが蓄積しています。
ご家族の方は、室温を確認しながら適切にエアコンを使用し、こまめな水分補給を勧めていただければと思います。
以前にも少し書いたことがありますが、熱中症のように強い日差しを浴びて体調を崩した場合、水素吸入は比較的速やかに体調の改善を実感される方が多い印象があります。
私自身も、毎日訪問診療で炎天下を回った後は、クリニックに戻って10〜15分ほど水素吸入をしています。それだけでも疲労感が軽くなり、午後の診療に向けて体力が回復するのを実感しています。
強い紫外線を浴びると、体内では活性酸素が大量に発生します。水素には、この活性酸素の一部を選択的に除去する作用が報告されており、暑さや紫外線による体へのダメージを軽減する可能性が期待されています。
当院では、水素吸入を希望される方に施行しています。初回のみ吸入用カニューレをご購入いただきますが、その後はご持参いただければ繰り返し使用できますので、追加費用はかかりません。
漢方では、夏バテによる倦怠感や食欲低下には清暑益気湯(せいしょえっきとう)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)をよく使用します。
一方、熱中症のように急な頭痛や吐き気、顔のほてりなどを伴う場合には、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)が適するケースがあります。
また、炎天下でのスポーツや屋外作業が予定されている方では、体質によっては事前に黄連解毒湯を服用することで症状の予防に役立つこともあります。
もちろん、漢方を飲んでいるから熱中症にならないわけではありません。暑さを避けること、こまめな休憩、水分・塩分補給が基本であり、漢方はあくまで補助的な役割と考えてください。
毎日のように危険な暑さが続いています。
「これくらいなら大丈夫」という油断が一番危険です。
少しでも頭痛やめまい、吐き気、強いだるさなどを感じたら無理をせず、すぐに涼しい場所へ移動して体を冷やし、水分・電解質を補給してください。症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
