むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 慢性腎臓病の進展予防には

    昨日は慢性腎臓病(CKD)を評価する採血データについて書きました。今日は、その慢性腎臓病に対する生活改善や治療について解説したいと思います。

    まず、腎臓が悪いときによく病院で言われるのが「塩分を控えめにすること」です。控えめにするという言い方では、おかずに醤油をかけすぎない、味噌汁の味噌を少なめに入れるといった漠然としたイメージかもしれません。

    実際の減塩治療では、通常10g前後摂取している食塩を7g以下、できれば6g程度まで減らすことを目指します。ただ、日常生活で自分の塩分摂取量を正確に把握するのはなかなか難しいものです。

    1. 塩分摂取量の測定と管理

    a)正確な測定方法

    実際には24時間蓄尿を行い、尿に排泄されるナトリウム量を測定することで塩分摂取量を推定できます。しかし、24時間蓄尿は手間がかかるため、日常的に行うのは簡単ではありません。

    b)ロジカルクッキングの活用

    私が最近良いと思っているのは「ロジカルクッキング」の手法です。以前も書きましたが、料理を作る際に材料の重さを測り、炒め物なら0.5%、煮物なら0.6%の塩分濃度になるよう計算して食塩を加えます。これにより、塩分の摂りすぎや味の濃すぎを防ぐことができます。

    私は最近この方法で自分の塩分摂取量を管理しています。だいたい1品あたり0.5~1g程度の食塩を使用しており、3品食べても2~3g程度です。朝食や昼食ではそれほど塩分を摂らないため、1日の摂取量はおおむね6g程度に収まっていると考えています。

    2. 食材の選び方

    具だくさんにする工夫

    野菜や果物にはカリウムなどのミネラルが豊富に含まれており、血圧管理に役立つことがあります。そのため、味噌汁などを作る際には野菜をたっぷり入れた具だくさんのメニューがおすすめです。

    ただし、腎機能が低下している方ではカリウムが体内に蓄積しやすくなることがあります。慢性腎臓病が進行している方は、主治医の指示に従って食事内容を調整してください。

    3. 生活習慣病の管理が重要

    腎臓病は糖尿病、高血圧、脂質異常症などがあると悪化しやすくなります。そのため、血圧や血糖、コレステロールをしっかりコントロールすることが極めて重要です。

    特に糖尿病を放置すると、糖尿病性腎症が進行し、将来的に透析治療が必要となるリスクが高くなります。健診で血糖値やHbA1cの異常を指摘された場合は、そのままにせず医療機関で相談するようにしましょう。

    また、禁煙や適正体重の維持、適度な運動も腎機能の保護に役立ちます。さらに、市販の鎮痛薬(ロキソニンやイブプロフェンなど)を長期間使用すると腎機能に悪影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。

    4. 最近注目されている治療薬

    これまで慢性腎臓病そのものの進行を抑える治療薬は限られていました。しかし近年、SGLT2阻害薬という糖尿病治療薬に、腎機能の悪化を抑制する効果があることが分かってきました。

    SGLT2阻害薬にはさまざまな種類がありますが、「ジャディアンス」や「フォシーガ」は慢性腎臓病の進行抑制効果が大規模臨床試験で確認されています。そのため、糖尿病がない患者さんでも、腎機能の悪化リスクが高い場合には処方されることがあります。

    当院でも必要な患者さんにはこうした薬剤を処方していますが、薬だけで腎臓病が良くなるわけではありません。減塩、適切な食事、運動習慣、そして血圧・血糖・コレステロールの管理を継続することが、腎機能を守るうえで最も重要だと考えています。