梅雨前線の影響で雨がひどい一日でした。
私は朝6時半にはクリニックに到着していたので、雨は降っていましたが通常通りに通勤することができました。しかし、8時頃に出勤してきたスタッフに聞いたところ、至る所が冠水しており大渋滞だったそうです。
去年の今頃も大雨で熊本市内の河川が氾濫し、相当な被害が出ました。その時のことが思い出されます。
やはりこの天気ですから、どうしても薬が切れてしまったという患者さんが慌てて来られる以外は、外来もまばらで閑散としていました。せっかく時間があったのでAIを使って面白い取り組みをしてみました。
さて、昨日の夕方、慢性腎臓病(CKD)の講演会に参加した話を書きました。その続きです。
最近、採血データにはeGFRという値が載っていますが、これは推定腎機能を表す指標です。このeGFRの計算の元になっているのは、年齢とクレアチニンという数値です。
また、腎機能の良し悪しを判断する際には、単に一点のeGFRだけを見て議論することはできません。長期間のデータの推移から腎機能がどの程度の速度で低下しているかを評価し、その傾きをもとに、将来的に透析が必要になる可能性があるのか、それとも生涯透析を回避できそうなのかを推測します。そのうえで、どこまで積極的に治療介入するかを考えるわけです。
例えば80歳で腎機能が低下している患者さんの場合、よほど急速に悪化しない限り、多少数値が悪くても生涯透析になる可能性は高くありません。
一方、40代で腎機能低下が始まった場合には、10年、20年という長い経過の中で将来的に透析に至るリスクが高くなります。このように、患者さんの年齢によって状況の捉え方や考え方は大きく異なります。
講演会を主催した製薬会社の担当者の方と今日お話をしていたところ、eGFRのスロープを計算するウェブサイトは存在するものの、実際にはあまり使いやすくないという話になりました。
さらに、ある先生はAIを使って自動計算ソフトを作ったという話を聞きました。なるほど、それは良いアイデアだと思い、私も試してみることにしました。
まず入力項目として、
- 患者さんの生年月日と性別
- 検査データの日付とクレアチニン値
を設定しました。
そして、
- 検査日時点の年齢とeGFRを計算し、グラフ化する
- データから一次近似直線を求める
- データのばらつきを考慮して標準誤差(SE)を加味した予測ラインを作成する
- 将来の透析導入リスクを予測する
というソフトを作るようAI(今回はClaude)に指示しました。
プロンプトを書くのに5分もかかりませんでしたが、AIが処理を始めてから完成するまでには10分以上かかったと思います。途中、画面には大量のプログラムコードが高速で流れていき、私の指示がコンピューターの言語に変換されて実行されている様子が見て取れました。
完成後には模擬データ入りのExcelファイルが作成されたので、ちょうど今日来院された腎機能の悪い患者さんの過去10年分の採血データを入力してみました。
その結果、現在の経過であれば透析導入に至るとしても40年以上先であり、仮に悪い経過をたどった場合でも20年ほど先になることが分かりました。
この患者さんは60代ですので、悪い経過をたどったとしても透析が必要になるのは80歳代という計算になります。
もちろん油断は禁物ですが、少なくとも現時点では過度に心配する状況ではなく、引き続き腎保護療法を継続していくことが重要だという結論になりました。
この自作ソフトがどの程度実用的なのか、今後しばらく検証してみたいと思います。
しかし、言葉で説明しただけで内容を理解し、ここまで実用レベルのプログラムを作成してくれるAIの能力には、本当に驚かされました。
