むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 患者さんの思い込みは診察時に不利になる

    朝からだいぶ雨が降りました。いよいよ本格的な梅雨という感じです。週間天気予報を見ると、しばらく雨の日が続きそうです。おかげで気温はそれほど上がらず、比較的涼しい日が続きそうです。

    とはいえ、仕事中はマスクをしているため、どうしても体が熱くなり息苦しくなってきます。診察中は我慢してマスクをしていますが、終わったらすぐに外し、呼吸を整えながらカルテを記入する毎日です。

    この時期は、めまいや頭痛の患者さんが増える季節です。例年、当院に通院されている患者さんは漢方薬をうまく活用しながら乗り切っておられますが、今年も「五苓散をください」と、以前効果があった処方を希望して来院される方がたくさんいます。上手に使っていただければ、ご自身で症状をコントロールしやすくなると思います。

    学生さんの中には、朝から頭痛がひどくて起きられず、学校にも行けないという方が毎日のように来院されます。詳しくお話を聞いてみると、天気に関連した頭痛の方と、全く関係のない方に分かれます。

    天気頭痛の場合は五苓散が効くことが多いのですが、天気と関係ない場合は診断が難しくなります。多くはストレスが関係しているため、抑肝散加陳皮半夏などを試すことがありますが、呉茱萸湯が有効な場合もあります。患者さんごとに、どのような背景や病態生理で症状が起きているのかを考えながら治療方針を決めています。

    ところで、患者さんがご自身の症状について「更年期のせいで」「歳のせいで」と決めつけたり、「胃が痛い」「肺が痛い」などと原因や部位を断定して話されたりすると、診察の際に思わぬバイアスが生じることがあります。

    もちろん、更年期や加齢が原因である可能性もあります。しかし、それはさまざまな可能性を検討したうえで最終的に判断すべきことであり、最初からその前提で話が進むと、医療者側の思考が患者さんの仮説や思い込みに引っ張られ、他の可能性を十分に検討しにくくなることがあります。

    最近では、事前にAIへ相談し、考えられる病名を調べてから受診される方も増えています。それ自体は悪いことではありませんが、診察が最初からその病名を前提として進んでしまうと、やはり別の可能性を考える妨げになることがあります。

    もう一つ、診察で難しいのは、自分の症状をうまく表現できない場合です。外国人の方を診察するときは、まず症状を正確に把握するだけでも大変なことがあります。これは子どもの診察でも同じです。

    大人の場合でも、症状を詳しく言葉で表現するのが苦手な方は少なくありません。「すごく痛い」「超痛い」といった表現だけでは、診断に必要な情報が十分に得られないことがあります。

    例えば、ズキズキする痛みなのか、チクチクする痛みなのか、締め付けられるような痛みなのか、あるいは食後にもたれるような不快感なのか――そうした細かな表現は診断の大きな手がかりになります。症状をできるだけ具体的に表現していただけると、私たちも原因を絞り込みやすくなり、より適切な治療につながります。