むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 空海の座右の銘は・・

    小林正観さんの著書「淡々と生きる」という本を読んでいます。

    今7割ほど読み進めたところですが、大変興味深く、丁寧に読んでいるところです。

    中でも高野山を開いた空海の話が印象的でした。空海は非常に人を惹きつける魅力を持った人物だったらしく、彼に頼まれると誰も嫌とは言えず、「何でも空海のためになら働く」と言ってくれるほどだったそうです。彼は高野山を開山しただけでなく、讃岐地方の治水工事を行ったり、大学のような教育施設を作ったりもしたといいます。

    昔、学校で日本史を習ったことがありますが、私は日本史がとても苦手で、ほとんど知識がありませんでした。しかし今回この本を読んで、非常に興味を持ちました。

    空海と最澄が遣唐使として中国へ渡った際のエピソードも書かれていました。二人は同じ時期の遣唐使船に乗って派遣されたそうですが、最澄は国費留学、空海は私費留学でした。当時の遣唐使船は4隻で日本を出港したものの、無事に中国へたどり着いたのは空海が乗った1号船と、最澄が乗った2号船の2隻だけだったそうです。3番目と4番目の船は、残念ながら難破してしまったと書いてあります。

    命からがら中国に到着した際、天皇からの親書もなくなり、言葉もあまり通じないという困難な状況でした。しかし、空海が見事な漢文で事情を記したところ、それだけで「ただ者ではない」ということが相手に伝わり、無事に唐の都へ行くことができたそうです。

    本にはさまざまなエピソードが紹介されていますが、一番興味深かったのは空海の座右の銘です。それは、

    「己の長を説くことなかれ、他人の短を言うことなかれ」

    という言葉です。「自分の長所を自慢するな、他人の短所を指摘するな」という意味ですが、さすが人格者の言葉は素晴らしいと感じました。

    私自身もそのようでありたいと思いますが、これまではなかなかそういうふうには生きてこられなかったと反省するところも大きいです。今回この著書に出会い、この言葉を読んだのをきっかけに、私もそのような生き方を目指したいと思いました。

    この本には般若心経の解説も書いてあるのですが、私はこれまで般若心経を読んだり写経したりしたことがありませんでした。お葬式の際にお坊さんが唱えているのを聞いて、「全然わからない」と思っていましたが、解説を読んでみると、なるほどと思うことがたくさんあります。

    お経の最後の方に「ギャーテイギャーテイ」というフレーズがあり、面白い響きだなと思って聞いていましたが、これは「彼岸へ行こう」「悟りの世界へ進もう」といった意味だそうです。般若心経の解説をここに書いても長くなるだけで、皆さんもあまり興味がないと思いますので、もし知りたい方はぜひこの本を読んでみてください。とてもわかりやすく解説してあり、納得がいきます。

    たまたま出会った本ですが、今から1200年ほど前の出来事が、まるでテレビドラマを見ているかのようにありありと描かれており、当時の情景が目に浮かぶようです。

    小林正観さんの文章はスピリチュアルな側面もあり、そういうものを好まない人には読みにくいかもしれません。しかし、「そういう世界もあるのかもしれない」と思って読んでみると、心に刺さる文章がたくさんあります。