むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 戦場のメリークリスマス

    先週から毎日、まるで休日当番医のようなすさまじい数の患者さんを診ています。通常の外来に加えて発熱患者さんが毎日40名ほど加わり、今日はついに150名の外来患者のうち、50名が発熱患者という異常事態となりました。

    これほどの忙しさは、医師になって30年以上のキャリアの中でも初めての経験です。かつて正月の休日当番医を務めたときも大変でしたが、あの日を超える状況がすでに2週間続いています。インフルエンザの猛威は、トップニュースになってもおかしくないレベルだと思いますが、世の中は不思議とあまり注目していないようです。今日はクリスマスでしたが、まるで実感が湧きません。「ハッピーホリデー」や「サイレントナイト」ではなく、まさに「戦場のメリークリスマス」です。

    インフルエンザの検査キットは在庫切れ、咳止めなどの薬も逼迫しています。唯一の救いは、カロナール(アセトアミノフェン)やタミフルが十分に確保されていること。それがなければ、何もできなかったでしょう。診察が終わるまで集中力が途切れなかった自分をほめると同時に、受付や看護師さんたちが見せてくれた献身には感謝しかありません。

    ただし、休日当番医ならその日が終われば平穏な日常に戻れますが、この冬は毎日が「当番医レベル」です。このような状況が続けば、スタッフが倒れるのも時間の問題です。医療現場の限界が近づいていることをひしひしと感じます。

    これほどの事態に発展した理由として、私は以下の可能性を考えています:

    >コロナ禍による免疫低下
    コロナ禍では人と人との接触が極端に制限され、感染症の流行が抑えられました。その結果、自然免疫を鍛える機会が減り、多くの人の免疫力が低下した可能性があります。
    >コロナワクチンの影響
    コロナワクチンによってスパイクタンパクに対する抗体が優先的に作られ、それ以外の免疫が低下している可能性も指摘されています。例えば、帯状疱疹が激増していることがその一例と言われています。同じ理由で、今年のインフルエンザの異常な増加にも影響しているかもしれません。