年末で早めに薬を取りに来られる患者さんと、インフルエンザの流行で発熱患者さんが激増した影響もあり、大変混雑しています。昨日は140名を超える外来患者さんが来院され、今日も同じく140名でした。訪問診療を含めると150名を超える患者さんを一日で診察したことになります。駐車場や待合ロビーも常に満員状態で、大変ご迷惑をおかけしています。この状況は、あと数日続くことが予想されます。
発熱患者さんだけでも一日30名以上いらっしゃいますが、インフルエンザやコロナの検査キットはあっという間に底をつきてしまいました。薬品卸も需要が逼迫しており、注文しても入荷の目処が立ちません。医薬品もかなり不足気味です。去年はもっと深刻な状況でしたが、この冬も咳止めや抗生物質などがかなり品薄で、必要な患者さんに十分行き渡らない状況です。幸いなことに、タミフルは欠品していません。
これまでコロナ禍でもほとんど全員の喉の所見を確認してきた経験から、喉の腫れ方でコロナ、インフルエンザ、溶連菌、手足口病などの診断がある程度可能になりました。その経験を活かし、今日からは検査キットがなくても喉の所見で診断をつけて処方する、まるで避難所や戦時下の野戦病院のような診療に切り替えています。物資が不足している現状では、やむを得ない選択です。
日本がこれほどまでに医療物資不足に陥った背景には、深刻な問題があります。政府が医薬品にかかる費用を抑えるためジェネリックを推奨しながら、その薬価を採算が取れないほど低く抑えてきたことの影響は大きいと考えられます。さらに最近では、ジェネリックが基本となり、先発医薬品を希望する場合は差額の一部を患者さんが負担しなければならなくなりました。
多くの患者さんが、ジェネリック医薬品に切り替えた後、「効果が感じられない」「むかむかする、胃の調子が悪くなった」「パーキンソン症状が悪化した」「全然眠れない」などの訴えをされ、元の薬に戻すことを希望されます。私の立場でできることは限られています。患者さんの声を厚労省や行政に届けていただきたいと思います。
桜町 花畑公園のクリスマスマーケット