私が韓国ドラマにハマったのは、コロナ禍でロックダウンが始まり、ステイホームが推奨されていた時期のことです。あらゆる会合がZOOMに移行していく中、とあるWEB会議での講演で、「愛の不時着」というドラマを勧められました。「とても面白いですよ!」と言われたのをきっかけに、さっそくNetflixに加入し、視聴を始めたのです。
このドラマは、韓国の財閥の娘がレジャーでパラグライダーに乗っている最中、誤って38度線を越え、北朝鮮の領土内に不時着するところから始まります。その設定に驚き、最初からドキドキが止まりませんでした。ちょうど、コロナウイルスが何者かわからない時期の漠然とした不安と、北朝鮮に不時着した主人公の緊張感が重なり、自然とドラマの世界に引き込まれていきました。それ以来、私は韓国ドラマを4年以上も見続けています。
ドラマだけでなく、韓国文化全体に興味を持つようになりました。韓国語の勉強を始めたり、熊本市内の韓国料理店を次々と巡ったりして、すっかり韓国の食文化にも魅了されています。YouTubeを見ながら韓国料理を作るようになり、今では一年の半分以上、日替わりでチゲ(スンドゥブ、キムチ、テンジャンなど)を楽しむ生活です。材料は、業務スーパーや琴平のYesMartで揃え、韓国の唐辛子やテンジャン味噌、コチュジャンなどを購入しています。
この生活の中で、驚いたことがあります。以前は冷え性で、白衣のポケットにカイロを入れていた私が、今では冷えを感じなくなったのです。先日も「今日は温かいな」と思い、温度計を見てみると、外は10度でした。韓国料理に使われる唐辛子やニンニクが、体を温めるのに非常に効果的だということを実感しています。
最近、冷え症で漢方を求める患者さんが増えてきました。漢方薬を処方する際には、私の体験談もお話しし、唐辛子やニンニクを使った料理やキムチを食べることを勧めています。寒い国で生まれた料理には、その土地の気候に適した知恵が詰まっているのだと、改めて感心しています。