今週は、当院に医学部の学生さんが実習に来ており、いよいよ金曜日が最終日を迎えます。診察を後ろから見学し、患者さんとのやりとりを間近で体験してもらいました。ご協力いただいた皆様には心から感謝致します。
今日、学生さんに感想を聞いてみたところ、彼は漢方や伝統医学に対して最初は少し懐疑的だったとのこと。しかし、実際に患者さんの声を直接聞き、「本当に効くんだ」という実感を得られたのが、何よりも大きな収穫だったと話してくれました。
当院では漢方治療に積極的に取りくんでおり、他の施設ではなかなか改善しなかった難しい症例に対しても、患者さんから「おかげさまで随分調子が良くなりました」という喜びの声をいただくことがあります。そのような場面に触れた学生さんも、漢方の効果を目の当たりにして納得してくれたようです。これは私にとっても非常に嬉しい瞬間でした。
昼休みには、訪問診療に同行してもらい、いくつかの老人ホームを訪れました。これから日本の高齢化がさらに進む中、若い医学生が高齢者医療に触れ、その現場をどう捉えるか、そして将来どのように関わるかを考える良いきっかけになったのではないかと思います。医療の未来を担う彼らにとって、この経験が少しでも役立てば幸いです。
話は変わりますが、私の友人の息子さんが、東京で医師をしているのですが、卒後4年が経ち、進路について悩んでいるという話を聞きました。そこで、先日友人に頼まれて帰省してきた彼とあって話をする機会を持ちました。私自身の卒後研修や留学体験について話しているうちに、彼の中でもこれからの方向性が少しずつ見えてきたようで、私としても非常に嬉しく思いました。
また、今週は大学院時代にお世話になった臨床検査医学の岡部紘明名誉教授から久しぶりにお電話をいただきました。25年ぶりで、とても懐かしく感じました。岡部先生は現在、回顧録を執筆中とのことで、私の大学院時代のエピソードや留学体験について原稿を書くよう依頼を受けました。今週末に時間を作って、当時の思い出を振り返りながら原稿を書こうと思っています。
この一週間は、若い世代の医師や医学生との対話、そして長年会っていなかった恩師との会話を通じて、改めて自分の経験や知識を伝える大切さを実感した日々でした。これからも、日々診療から得られた経験を後世に伝えることで、次の世代の進路を考える一助となれればと思いました。