なぜか梅雨のような天気が毎日続きます。漢方で、病気の原因として内因と外因という考え方があります。内因はストレスや極端な喜怒哀楽など精神的なことが問題となるのですが、外因は風寒暑燥湿火の六因が想定されています。もちろん天気や環境因子のことです。このところの急な冷え込みと長雨で問題となるのは寒の邪と湿の邪です。寒の邪で冷えて関節が痛いとかお腹が痛い、下痢するなどが見られます。湿の邪では、むくみ、倦怠感、めまい、耳鳴り、吐き気、頭痛、頭重、食欲不振などが起こります。たしかにこの数日はこういった寒と湿に犯された患者さんが多いように思います。
寒の邪と湿の邪の対処法について簡単にまとめたいと思います。
体を温める:暖かい飲み物をこまめに飲む、お風呂にゆっくりとつかる、体を温める食材を積極的に摂る
体を動かす:適度な運動をすることで血行が促進され、体を内側から温める。
湿気を避ける:梅雨時期は特に、部屋の換気を心がけ、湿気を溜めないようにする。
バランスの取れた食事:体を温める食材や、水分代謝を促す食材を積極的に摂る。
おすすめの食材
寒の邪に良い食材:生姜、ネギ、大蒜、唐辛子、シナモン、羊肉、鶏肉
湿の邪に良い食材:小豆、緑豆、冬瓜、薏苡仁(はとむぎ)、海藻類
寒の邪や湿の邪が体内に溜まっていると感じたら、漢方薬を試してみるのもおすすめです。漢方薬は、患者さんごとに体質や症状に合わせて処方します。体を温めたり、湿気を除去したりする漢方にもいくつか種類があり、患者さんごとに選ぶ処方は異なります。みな同じ処方で治るわけではなく、体質の正確な把握が重要となります。
寒の邪と湿の邪は、放置しておくと様々な不調を引き起こす可能性があります。日頃から体を温めたり、バランスの取れた食事を心がけたりすることで、これらの邪気を予防することができます。もし、気になる症状がある場合は、一度漢方専門医にご相談ください。