むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 身近な薬物依存?

    昨日までとは打って変わって急に冷え込んできました。ずっと半袖で過ごしてきたのですが、ついに長袖を探しました。上着もどのくらいのやつを着たらちょうどいいのか迷います。風邪の患者さんが多いのもうなずけます。寝るときの布団も暖かくして風邪引かないようにしましょう。

    さて、睡眠薬を処方すると、睡眠薬は依存するから一度飲んだら最後、と思っている人がたくさんいます。実際は、睡眠薬に依存は起こりますが、数回で起こることはありません。長期にわたって使用することで習慣性が出てきます。眠れないときにたまに使う程度なら大丈夫です。また、最近はオレキシン受容体拮抗薬(デエビゴ、ベルソムラ)やメラトニン受容体作動薬(ロゼレム)など、依存のリスクが低いタイプの睡眠薬が開発されています。夢が多いことなど、ちょっと困ったところもありますが、安全性が高いのでできるだけこの種類の睡眠薬がおすすめです。安定剤は睡眠薬より軽くて安全と思っている人も多いですが、それは間違いです。むしろ安定剤のほうが使っているうちにやめられなくなる可能性が高いので、長期使用には注意が必要です。

    睡眠薬ほど知られていませんが、プロトンポンプ阻害剤(PPI)という種類の胃薬は長期使用によってやめられない人が多いです。この傾向は注意すべき点です。胃カメラなどで逆流性食道炎があるからと無症状の人にも薬を出す場合がありますが、私はそのメリットを疑っています。ただ、無症状の人がPPIを飲んでも快感がないため、めったに依存せずやめるのは簡単です。問題は逆流性食道炎でも胃潰瘍でもない人が、たんに胃薬代わりにPPIを飲む場合です。飲むと胃がスッキリして快適になるとやめられなくなります。実はPPIには睡眠薬と同じ様に長期使用によりやめられなくなるほか、いろんな副作用があるので注意が必要です。

    PPIの副作用について簡単に解説すると、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB12の吸収低下、骨密度の減少、感染リスクの増加、腎臓への影響、消化器症状などがあります。また、一部の研究では胃がんのリスク増加や死亡率の上昇との関連が報告されています。PPIの使用期間については、個々の患者の状況に応じて医師が判断しますが、一般的には可能な限り短期間の使用が推奨されています。使用中止や継続については、自己判断せず担当医と相談してください。

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