毎日忙しくて、本当に目まぐるしいです。体力的にも毎日ギリギリで頑張っています。それでもチョコザップで運動する余力は残っていますけど。なぜそんなに忙しいかというと、風邪の患者さんが非常に多く来院されているからです。また、インフルエンザの予防接種も相当数あります。予防接種は予約制で、一日の人数も決まっているため混乱はありませんが、風邪の患者さんの多さには参っています。しかも、インフルエンザやコロナではない、ただの風邪です。これからインフルエンザなどが流行したらどうなるのか、少し心配です。
コロナ禍で、発熱患者さんの診療を拒否したり、かかりつけの患者さんだけを診るクリニックも多くありました。その悪影響で、診療制限の名残がまだ残っているのではないかと感じます。当院は以前から、かかりつけ患者に限らず診ていたので、こうして忙しいのかもしれません。
風邪を西洋薬で治療する場合は、鼻炎の薬や咳止め、解熱剤を処方します。こじらせたら抗生剤も追加することになりますが、これはどの病院でも大差ありません。私は漢方専門なので、風邪の多くには漢方を出しています。漢方の風邪治療の歴史は2000年以上あり、細かな症状ごとに最適な処方が確立されています。忙しい中でも、一例一例漢方的に解釈しながら薬を選ぶため、時間もかかり頭も使います。
たまに「漢方は苦手」「粉薬は飲めない」という方もいます。その場合は話が簡単です。西洋薬ならパターンが決まっており、さほど考えずに処方できます。しかし、風邪の患者さんにできるだけ漢方を出しているのは、そのほうが早く治り、無駄な抗生剤の使用を避けられると信じているからです。
漢方をありがたく飲んでいただけるとこちらも嬉しいのですが、なかには「漢方では風邪が長引く」「その辺に生えている草を煎じても効き目があるはずがない」とおっしゃる方もいます。これは残念でなりません。漢方に使われる生薬はとても貴重で、大量生産できません。野菜とは違い、数年かけてやっと収穫するものが多く、特定の条件が揃った限られた地域でしか栽培できないものもあります。時代劇に出てくるような「病気の親の薬代がないから娘を売る」というような話も、漢方の貴重さを物語っていると思います。現代では誰もが漢方を手にできることを本当にありがたく思いますし、これは私の漢方愛でもあります。