むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 冷えることと夜間頻尿の関係

    今週は連休明けということもあり、昨日も書いたように風邪の患者さんが急増していることも加わって忙しい毎日です。午前中ノンストップで昼まで診療し、昼休みに訪問診療で4つの老人ホームをまわってクリニックに戻ってきたら駐車場は満車状態。すぐに午後の診療を始めて、午後もノンストップで6時半までかかりました。110名を超える患者さんを診療するとなると、体力も頭も疲れてしまいます。いつもならここでチョコザップに行って体を動かしてリフレッシュというところですが、今日は時間があまりゆっくり取れず、運動する暇はありませんでした。天気予報で北海道は雪とか、九州も最低気温が9度になると言っていました。昼には暖かく、ホントかなと思っていたら、夕方は上着がないと寒いくらいに冷えてきました。せっかく快適な秋の訪れと思っていたら、いきなり冬みたいになってきましたね。

    冷えてくると、患者さんの訴えで多いのが夜間頻尿です。一晩に3回以上トイレに起きるようなら睡眠も十分取れず翌日に影響することと思います。昔から冷えによる夜間頻尿には八味地黄丸がいいと言われていました。時々患者さんが漢方で治してほしいと言われるので、八味地黄丸を処方してみると、確かに効果が見られます。ちなみに、通常私の診療では夜間頻尿には過活動膀胱の治療薬(ベタニスやべオーバ)とか男性用の夜間頻尿治療薬(ミニリンメルト)を処方します。かなりよく効くので、漢方より確実と思います。もちろんそれなりに副作用の注意が必要なので、安全性から言えば漢方のほうが優れているのは間違いありません。

    過活動膀胱は本来は切迫尿失禁(突然の尿意に我慢できず漏らしてしまう)をベースとした頻尿で、夜間頻尿に限ったものではありません。昼間でも、あまり膀胱に尿がたまらないのに尿意が出てしまうのです。これは、トイレに行けるうちに行っておくという早め早めの排尿習慣が影響して、膀胱にあまり尿がたまらないうちに尿意が出てしまうものです。通常、夜間は抗利尿ホルモンの影響で利尿(尿の産生)スピードが遅くなり、夜にトイレにいかないで済む仕組みがあります。ところが年を取ってくるとその抗利尿ホルモンが少なくなり、夜も昼間と同じスピードで尿が産生されてしまいます。そこで、考えられる治療法は抗利尿ホルモン(ミニリンメルト)を飲むか、膀胱容量を大きくする薬(ベタニスやべオーバ)を飲むかの2択となります。ただし、なぜかミニリンメルトは女性に有効性が示されておらず、保険適応は男性に限られています。女性にも有効な薬剤の開発が望まれます。

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