むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 寒邪と湿邪

    なぜか梅雨のような天気が毎日続きます。漢方で、病気の原因として内因と外因という考え方があります。内因はストレスや極端な喜怒哀楽など精神的なことが問題となるのですが、外因は風寒暑燥湿火の六因が想定されています。もちろん天気や環境因子のことです。このところの急な冷え込みと長雨で問題となるのは寒の邪と湿の邪です。寒の邪で冷えて関節が痛いとかお腹が痛い、下痢するなどが見られます。湿の邪では、むくみ、倦怠感、めまい、耳鳴り、吐き気、頭痛、頭重、食欲不振などが起こります。たしかにこの数日はこういった寒と湿に犯された患者さんが多いように思います。

    寒の邪と湿の邪の対処法について簡単にまとめたいと思います。
    体を温める:暖かい飲み物をこまめに飲む、お風呂にゆっくりとつかる、体を温める食材を積極的に摂る
    体を動かす:適度な運動をすることで血行が促進され、体を内側から温める。
    湿気を避ける:梅雨時期は特に、部屋の換気を心がけ、湿気を溜めないようにする。
    バランスの取れた食事:体を温める食材や、水分代謝を促す食材を積極的に摂る。

    おすすめの食材
    寒の邪に良い食材:生姜、ネギ、大蒜、唐辛子、シナモン、羊肉、鶏肉
    湿の邪に良い食材:小豆、緑豆、冬瓜、薏苡仁(はとむぎ)、海藻類

    寒の邪や湿の邪が体内に溜まっていると感じたら、漢方薬を試してみるのもおすすめです。漢方薬は、患者さんごとに体質や症状に合わせて処方します。体を温めたり、湿気を除去したりする漢方にもいくつか種類があり、患者さんごとに選ぶ処方は異なります。みな同じ処方で治るわけではなく、体質の正確な把握が重要となります。

    寒の邪と湿の邪は、放置しておくと様々な不調を引き起こす可能性があります。日頃から体を温めたり、バランスの取れた食事を心がけたりすることで、これらの邪気を予防することができます。もし、気になる症状がある場合は、一度漢方専門医にご相談ください。

  • マイナ保険証、準備はお済みですか?

    気がつけば11月も終盤、来週からは12月です。今年も残りわずかとなり、年末年始の準備が本格化する時期ですね。クリスマスや忘年会などイベントが多い中、意外と忘れがちな重要なことがあります。それが「マイナ保険証」への切り替え問題です。

    現在、まだ20%程度の方しかマイナ保険証を利用していない状況です。しかし、12月以降、従来の保険証の新規発行が廃止されるため、混乱が予想されます。「今の保険証がまだ使えるから」と後回しにしていると、不利益を被る可能性が高いので、早めに対応しましょう。特に注意すべきは以下のケースです。

    転職や退職のタイミング
    12月や3月は転職シーズン。転職後に保険証の切り替えが必要になりますが、新しい保険証の発行はありません。マイナ保険証以外に選択肢がないため、準備は必須です。

    マイナカードを持っているが保険証と紐づけていない方
    せっかく病院に行っても、紐づけが完了していないと受付ができません。「マイナカードを持っているから大丈夫」と安心せず、紐づけを確認しましょう。

    マイナンバーカードが保険証と紐づいているかはマイナポータル(スマホのアプリ)で確認できます。アプリを立ち上げて暗証番号を入れ、ご自分のマイナンバーカードを読み込んでみてください。紐づけが完了しているかどうか、すぐわかります。紐づけされていない場合、アプリから手続きできるそうです。

    顔認証がエラーになる場合(登録写真が古い、濃いメークなど)、暗証番号が必要です。暗証番号は3回間違えるとロックされるため、注意しましょう。ロック解除には区役所に行く必要があります。

    私自身も暗証番号を思い出せず、慌てた経験があります。日常生活で求められるIDやパスワードが多すぎて、覚えきれないというのが実情です。100以上のログイン情報をメモしているため、現在はクラウドに保存して管理しています。これが一番安全かつ便利な方法だと感じています。

    おわりに
    「マイナ保険証への切り替え」はもはや待ったなしの状況です。不安な部分や納得できない点があっても、新制度に対応するしかありません。混乱を避けるためにも、早めの準備を心がけましょう。特に、マイナカードの紐づけと暗証番号の確認を忘れずに。

    チャットGPTで作成

  • ラジオで生活リズムをとる習慣

    私はご飯中、目の前のパソコンで「ながら作業」をするのが日課です。

    朝食時: NHKゴガクアプリでハングル講座と中国語講座を30分学習。ランチタイム: Amazonプライムで韓国ドラマを5分視聴。晩ごはん時: Netflixでアメリカのドラマを15分視聴。寝る前: Lemino(旧dTV)で中国ドラマを5分視聴。

    韓ドラと中華ドラマは5分ずつなので、1話を見るのに1週間、1つの作品を見終わるのに半年ほどかかります。それでも、毎日少しずつ進めると物語が確実に進展し、いよいよ今週、どちらの作品も最終話にたどり着きました。ストーリーはクライマックス。伏線がすべて回収される感動的な展開に、毎日が盛り上がりのピーク状態です。普通なら一気に見て盛り上がりたいところですが、時間が限られている中で毎日少しずつ楽しむのも「得した気分」になれるものです。

    たった5分でも、半年間積み重ねればドラマを一本見終えられる。この達成感は大きく、語学学習や新しいスキル習得にも通じる考え方だと感じます。ドラマ視聴だけでなく、日々の生活にも「短時間で完結する作業」をいくつか取り入れています。

    チョコザップでのランニング:20分、ランニング後の施設清掃:10分、クリニック勤務前に歩道の落ち葉を清掃:10分、診療後のモップがけ:10分

    これらは短い時間でできる作業ですが、日々積み重ねることで達成感があります。このような生活習慣を続けている背景には、小さい頃の朝のラジオ体験が影響している気がします。私の実家では、朝ご飯中にテレビではなくラジオをつけるのが習慣でした。朝のラジオ番組は5分から10分ごとに次のコーナーに切り替わります。

    交通情報の間にパンを焼く。天気予報までに食事を終える。アナウンサーの「行ってらっしゃい」の言葉までに家を出る。このように、ラジオの進行に合わせて朝の準備を進める生活リズムが自然と身につきました。今でもラジオを活用してリズムを整えています。たとえば、日曜日はももクロのラジオ番組を聞きながら家を出てジムに行き、国分太一の番組の頃帰宅するというのが一連の流れ。訪問診療中も、カーラジオで流れるFM番組を目安にスケジュールを管理しています。ジャパネットのデイリーフライヤーが流れるときにはどのエリアを運転し、何分後に目的地に着く、ローリングストーン・カフェが始まる頃には次の予定へ、という具合です。幼い頃に培った「5分、10分刻みの時間の感覚」が、今の生活や仕事の効率にも役立っている気がします。

    オープンカー ダイハツ コペン 気持ちいい季節です

  • 免疫療法とステルスの話

    今日は一日中雨が降り続きました。昼に往診へ出かけたときも、しっかりとした本降りの雨でした。普段は薄手の長袖で訪問していますが、今日のような雨の日には、かつてマラソントレーニングの際に使用していた薄手で軽いランニング用のウインドブレーカーを雨合羽代わりに着て出かけます。当時は、仕事が終わってから夜の暗い道をペンライトを片手に走るのが日課でした。その際、安全のために上着は必ず白と決めていました。その白いウインドブレーカーが、今では冬の往診用の白衣代わりとなっています。

    白色は夜間でも認識されやすいので安全だと感じますが、その反対が迷彩色です。当院の近くには自衛隊があるため、迷彩服を着て通勤する職員さんをよく見かけます。特に夜道では、ギリギリまで接近しないと人影に気づきにくいことがあります。一部の方は反射材をタスキのように掛けて対策をしていますが、それがないと車に轢かれるんじゃないかと心配になります。

    迷彩色つながりですが、レーダーに映らない技術を駆使した「ステルス戦闘機」というものがあります。私はテキサスに滞在していた頃、一度ステルス戦闘機が飛んでいるのを目にしたことがあります。そのとき、異様な形の飛行機が爆音を轟かせながら空を飛ぶ姿に驚きました。

    この「ステルス」という概念は、医療や現代社会でも応用や比喩として使われています。最近ではネット通販の口コミやレビューが巧妙に操作されていることが問題視されています。企業やインフルエンサーが謝礼を受けて良い評判を意図的に作り出す例もあり、公平な評価とプロモーションを見分ける力が、現代ではますます重要になっています。

    医療の分野でも、「ステルス」という概念は特にがん治療で注目されています。がん細胞は、免疫システムから逃れる「ステルス機能」を持っていますが、これを解除するのが免疫チェックポイント阻害剤です。この薬剤により、がん細胞が免疫細胞からの攻撃を逃れられなくなり、治療効果が劇的に向上しました。2018年に本庶佑先生がこの分野の研究でノーベル賞を受賞したことは記憶に新しいですね。

    私が医学部3年生だった頃、熊本大学医学部の学祭「本九祭」でがんの免疫療法についての展示をしたことがあります。おそらく1988年頃だったと思いますが、その時点ではまだキラーT細胞ががん細胞を攻撃するという免疫療法の考え方がようやく広まり始めた頃でした。当時、学祭を担当した私たちは、免疫療法についてとてもアカデミックで面白いと思い、本九祭の展示のために当時の耳鼻科の教授だった石川哮先生に指導してもらいました。教授の先見性には、今改めて素晴らしかったなと感じます。

  • 水春 vs 佐俣の湯

    ぐっと冷えてきました。今朝の出勤時は 5 ℃しかなく、吐く息が白くなり、冬の訪れを感じました。先週末は土曜日が祝日だったため、「来院したけれど閉まっていた」とおっしゃる患者さんが数名おられました。わざわざ足を運んでいただいたのに、本当に申し訳なく思います。薬がないと眠れなかったり、血圧が上がったりとご不便をおかけしてしまい、心苦しく感じます。私自身も連勤が続き、ようやく休めた週末でしたが、学会の会計処理などをしていたため、実質的には普通の土日と変わらないような感覚でした。

    毎週土日はイオンモール嘉島にある水春温泉の2階のジムで運動した後、温泉で汗を流すのが習慣になっています。しかし最近は非常に混雑しており、以前のようにゆっくりお湯に浸かるのが難しくなっています。子どもたちが走り回って騒がしい上に、それを大声で叱るお父さんたちの声も響き渡り、少し落ち着けない雰囲気です。また、洗い場では横や後ろに座っている人にシャワーの水がかかっても気づかない方が多く、とにかくコロナ禍の頃の静かな雰囲気と比べると、リラックスとは程遠い状態です。この状況がつづくようなら、ここの会員はやめて別の施設に行くことも検討しています。

    そんなわけで、日曜日は癒やしを求めて美里町の佐俣の湯まで足を伸ばしました。ここは源泉かけ流しでお湯の質が非常に良いことに加え、落ち着いた雰囲気が魅力です。混雑していても騒がしくなく、静かで心地よい時間を過ごせます。そして何より空気がとてもきれいです。露天風呂に浸かりながら、澄んだ空気に包まれ、木漏れ日がキラキラと輝く景色を眺め、鳥のさえずりに耳を傾けていると、まるで時間が止まったかのようなひとときが訪れます。そのおかげで、1週間の疲れがすっと癒やされていきました。

    左俣の湯(美里町)の駐車場にて