むらかみ内科クリニック

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  • めまいの治療

    この数日急に涼しくなったせいか、めまいの患者さんが増えてきました。自律神経の乱れが原因かもしれません。激しいめまいがすると、吐き気もひどく、動けなくなります。これが起きると脳梗塞ではないかと心配になるかもしれませんが、実際に脳梗塞が原因であることは稀です。ただし、手足に麻痺が出たり、ろれつが回らなかったり、強い頭痛がする場合は、早急に頭の検査を受けることが必要です。しかし、多くの場合、めまいの原因は内耳にあります。耳鼻科での検査が推奨されますが、めまいを専門とする耳鼻科は限られているため、事前に調べてから受診することが望ましいです。

    最近では、がんや糖尿病の新薬が次々と開発され、治療成績も向上していますが、めまいや耳鳴りの治療に関しては、この20年ほど大きな進歩がないように感じます。この分野は、他の医療領域に比べて進展が遅れている印象です。それだけ治療が難しいということでしょうか。

    当院では、耳鼻科で処方される抗めまい薬を取り揃えていますので、まずはこれらを用いた標準的な治療を行います。一方で、漢方薬にもめまいに効果的な処方があり、場合によっては漢方薬を処方することもあります。めまいがひどく内服が難しい場合は、まず注射でめまい止めや吐き気止めを使用し、その後に漢方薬を飲んでいただくこともあります。

    めまいには大きく分けて「回転性めまい」と「浮動性めまい」の2種類があります。回転性めまいは、内耳が原因となることが多く、良性発作性頭位めまいやメニエール病が代表例です。一方、浮動性めまいは、脳や自律神経、脳血流、ストレスなどが原因となることが多いです。しかし、私の経験ではこれらの症状はオーバーラップしており、教科書通りにきっちりと分類するのは難しいことが多いです。

    漢方では、回転性めまいには苓桂朮甘湯や半夏白朮天麻湯、中年以降のふわふわした浮動性めまいには真武湯や八味地黄丸、若い女性の貧血に似ためまいには当帰芍薬散、ストレス性のめまいには抑肝散加陳皮半夏、肩こりからくるめまいには葛根加朮附湯などをベースに処方します。とはいえ、これも理論通りにいくとは限らないため、個々の患者さんに合わせて試行錯誤します。

    めまいの症状は多岐にわたり、軽いものから強いものまで幅広く存在します。少しでも気になる症状があれば、早めに専門医を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。

    Five unripe mandarin oranges with a mix of green and yellow colors, indicating they are starting to ripen, arranged naturally on a clean, wooden table surface, with a soft light casting gentle shadows. The yellow spots blend into the green areas on each fruit, showing different stages of ripening. The overall atmosphere is calm and minimalistic.

    私はこの季節のまだ青いみかんが大好きです。ChatGPTにて画像作成しました。