むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • コウノメソッドという認知症の治療法

    昨夜は近所の老人ホームに入居し、定期的に訪問診療をしているSさんの看取りでした。もう何ヶ月も前からだんだん寝たきり状態になり、そろそろかと心の準備はできていました。この施設はスタッフが充実しており、看取りはこれまでも何例も経験しています。呼吸が停止したと連絡が入ったのが深夜0時半ごろで、家から歩いて5-6分のところにあるのですぐに駆けつけました。しかし、ご家族が揃うのに一時間ほどかかると言われたため、深夜の時間を持て余して、一旦帰宅しネットで調べ物をしていました。すると、認知症は治せると言う本を出版されている河野先生の治療法(コウノメソッドという)をみっちり勉強されて、クリニックを開業されている市川フォレストクリニックの松野先生についての情報を目にしました。この先生は、無料で医師向けの認知症セミナーを多数開催されているのです。

    以前私もコウノメソッドを勉強し、認知症治療で有効な治療法については理解しているつもりです。逆に、現在保険適応されているアルツハイマー治療薬がほとんど期待できないことも知っています。そこで、当院ではこの手の薬をめったに処方しません。たまに、この患者さんには効果が期待できると思ったときだけ処方しています。私がコウノメソッドを勉強しながら、あまり実践しないまま時間が過ぎてしまった理由は、河野先生が推奨する有効な治療法の多くが保険適応外であり、自費診療になるからです。自費とはいえ、最近話題の非常に高価なアルツハイマー治療薬と比べれば、それほど高くはありません。しかし、保険診療と自由診療を組み合わせた混合診療は、私たち保険医にとっては非常にハードルが高いのです。

    松野先生が、循環器、漢方、栄養学の3本柱でコウノメソッドを勉強し、それをもとに独自の治療法を開発されたと聞いて、その3本の柱が私と全く同じであることに驚きました。深夜、ネットで松野先生のことを知り、ワクワクしながら「認知症の勉強をもう一度やろう」と心に決めました。Sさんの看取りを通して、改めて学び直すきっかけを頂きました。

    ビビン冷麺@ネネチキン(三年坂)

    韓国冷麺のダシ(梨のようなフルーティーな香りと酸味が混じったもの)がシャーベット状になっており、辛味ダレと混ぜながら冷え冷えの麺をいただきます。冷やし中華とは全然違う味わいです。