むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 血糖値が高いと言われたら

    健康診断などで血糖値やヘモグロビンA1cが高いので注意しましょうと言われたことのある人も多いかと思います。要治療と言われた場合、糖尿病確定ですが、注意しましょうと言われた場合はまだ本当の糖尿病になる手前なので、食事に気をつければ健康体に戻れる状態と判断します。たとえ糖尿病の診断で薬を飲み始めたとしても、きちんと食事を気をつけることで内服を減らしたりやめることができる場合があります。糖尿病は生活習慣病の一つですから、生活習慣を見直すことが第一だと思います。

    まず、食事の注意としては、糖質というのが甘いものに限らず、炭水化物全般だということです。お菓子などの甘いものだけでなく、米、パン、麺、粉もの(お好み焼きなど)などの量を減らしましょう。ご飯を抜くより少しずつ3度に分けて食べたほうが、血糖値の乱高下を防ぐことができます。ご飯を食べる前に肉や野菜などを先に食べると血糖上昇を抑えることができます。今は秋の果物も美味しい季節ですが、甘い果物はブドウ糖や果糖をたくさん含んでいるので注意が必要です。

    次に運動についてです。運動は血糖値の管理に非常に重要な役割を果たします。適度な運動はインスリンの感受性を高め、血糖値を下げる効果があります。ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどの有酸素運動は、心肺機能を向上させ、血糖値を効果的に下げることができます。1日30分のウォーキングを週5日行うと良いでしょう。特に、血糖の上がりやすい食後の運動がおすすめです。また、筋力トレーニングも血糖値管理に有効です。筋肉量が増えることで、基礎代謝が上がるため、血糖値のコントロールがしやすくなります。

    さらに、ストレスを避けることも大切です。甘いものを食べたり、過食することで交感神経の興奮状態がおさまり、副交感神経が活発になります。また、甘いものが脳内のエンドルフィンやセロトニンという幸せホルモンを増やすため、一時的にストレス解消につながりますが、これは血糖値に悪影響を与えることがあるので要注意です。ストレスが副腎のストレスホルモンであるコルチゾールを増加させることで、食欲が増してしまうことも考えられます。運動をしたり、食べること以外でストレスを発散しリラックスする時間を持つことも重要です。

    このように、食事、運動、ストレス対策は血糖値管理において非常に重要な要素です。無理のない範囲で、継続的に取り組むことが大切です。

    往診中に遭遇しました。