忙しい人や体調の悪い人がやりがちなミスの一つが、自分の食事をおろそかにすることです。朝食を抜いたり、昼はおにぎりやインスタント麺、夜は家族が残したものをつまむ程度、というような食事内容になりがちです。しかし、これでは多少のカロリーを取っているにすぎず、十分な栄養が取れているとは言えません。栄養とは、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどを指します。これらが不足すると、体内の酵素が適切に働かず、疲れが取れない、やる気が出ない、寝てばかりいる、という状態に陥ることがあります。また、栄養はメンタルにも深く関わっており、気分の安定、不安、抑うつ、睡眠などと密接に関連しています。栄養が不足すると、心が不安定になる可能性もあるのです。
特に産後のお母さんにこのような状況がよく見られます。出産時に赤ちゃんに大切な栄養を分け与えるため、母体は極端な栄養不足になります。さらに、授乳によって栄養が奪われるため、しっかり食べておかないと心も体もボロボロになってしまいます。産後うつの原因の一つには、なれない子育てのストレスがありますが、栄養不足も大きく関与しています。
栄養をきちんと取るためには、肉や魚、卵、大豆などのタンパク質を適切に摂ることが重要です。また、野菜や海藻に含まれるビタミンやミネラルも欠かせません。ただし、バランスが大切です。実は、私自身、以前は患者さんに栄養指導をしていることもあり、自分でも毎日大量の肉を食べていました。しかし、結果的にコレステロールと尿酸がどんと上がってしまいました。そこで、現在はほとんど肉を食べず、ベジタリアンみたいな食事にしています。大豆ミート、豆腐、茹でた豆、納豆、ごま豆腐、えんどう豆プロテインなど、植物性のタンパク質を積極的に摂り、ビタミン類のサプリも適宜摂取しています。
サプリメントに関しては、昨今の健康被害のニュースをみて心配する声もあります。人それぞれ必要なサプリメントは異なりますので、個別の対応が重要です。興味がある方は診察の際にぜひお尋ねください。あなたに合った情報を提供いたします。
今日の夕食: 豆、冬瓜、厚揚げ、甘唐辛子のベジタリアンカレー