むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 不眠の話

    台風の進路予想は九州直撃コースになってきました。これから風雨が強くなってくることが予想されます。玄関やベランダにある飛びやすいものを片付けるように注意しましょう。まだ1日時間があると思いますので、できるだけ準備をしておきたいものです。

    今日のクリニックは、台風の前に薬を補充しておこうという患者さんが多く、かなり待ち時間が長くなってしまいました。できるだけ手短にテキパキと進めたいのですが、中にはあれこれ悩む方もおられます。例えば、眠れませんとか、頭痛がしますとかです。そのような症状をわざわざ伝えるということは、「睡眠薬や頭痛薬を出しましょうか」という話になりますが、「飲んだほうがいいですか、癖になりませんか」と診察中に考えがまとまらない方がいらっしゃいます。どうしてほしいのか、ある程度決めて来ていただくと助かります。何十人もうしろに控えているときに、その2~3分がとても貴重だからです。混んでいないときは、どうぞ好きなだけ悩んでください。

    せっかくなので、ここに考え方のヒントを書いておきます。まず、眠れない人が睡眠薬を飲んだほうがいいかどうかの基準は、翌日どのくらいきついかだと思います。眠くて仕事に差し支える、家事や育児がまともにできない、運転中に睡魔に襲われるなどがあれば、睡眠薬を飲んでしっかりと寝たほうがいいでしょう。昼間特に何をするでもなく、昼寝もできるし、それほど困っていないというのであれば、睡眠薬を使う必要はないと思います。何時間くらい寝れば十分かは人によって異なりますが、一般的には6~7時間は寝たほうがいいとされています。中には、3~4時間しか睡眠時間が取れなくても十分に元気に過ごしている人もいます。

    問題は、夜間頻尿で3回以上トイレに起きると、それだけでも睡眠不足になります。一旦トイレに起きるとなかなか寝付けないという場合、状況はさらに深刻になります。このような場合、睡眠薬だけでなく頻尿の治療を考えたほうがいいと思います。

    不安やうつで眠れない場合は、睡眠薬ではなく抗うつ剤を使うことでよく眠れるようになることがあります。デパスやソラナックスなどのベンゾジアゼピン系の抗不安薬を睡眠薬代わりに使うことはおすすめしません。当院では、希望されても原則処方していません。最近は、依存性が低く、安全性が高い新しい睡眠薬が出てきており、不眠治療で最初に試すにはこのような薬剤がおすすめです。

    Copilotでイラストを作成。眠剤を深夜2時、3時に飲むのはおすすめできません。