むらかみ内科クリニック

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  • 境界型糖尿病と言われたら

    健康診断や検査で「境界型糖尿病」と言われて、不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。境界型糖尿病とは、糖尿病の一歩手前に位置する状態のことです。糖尿病とまではいかないけれど、健康な人に比べると血糖値が高め。この状態をそのままにしておくと、将来的に糖尿病へと進行するリスクが高くなります。

    境界型糖尿病は、空腹時血糖値やヘモグロビンA1cが正常値と糖尿病の間にある状態を指します。具体的には、空腹時血糖値が110〜125 mg/dL、ヘモグロビンA1cが5.7〜6.4%の範囲です。この数値が少しでも高いと、血糖値が安定していないことを示しており、将来的に糖尿病に進行する可能性が高くなります。

    境界型糖尿病と診断されると、「まだ糖尿病ではないから大丈夫」と思われがちですが、実際にはすでにリスクが高まっている状態です。糖尿病は自覚症状がほとんどないまま進行し、発見されたときにはすでに合併症が進行していることも少なくありません。境界型糖尿病の段階で適切な対策を取ることで、糖尿病への進行を防ぐことができます。

    まずは、食事や運動習慣を見直すことから始めましょう。バランスの取れた食事を心がけ、特に炭水化物の摂取量に注意することが大切です。また、日常的に体を動かす習慣をつけることで、血糖値の安定に寄与します。運動療法は非常に効果的な手段です。運動は血糖値を下げるだけでなく、インスリンの感受性を高め、体内の糖代謝を改善する効果があります。

    境界型糖尿病と診断されたら、定期的に血糖値やヘモグロビンA1cのチェックを行いましょう。数値の変化を把握することで、必要なタイミングでの治療開始や生活習慣の改善を行うことができます。

    境界型糖尿病は、糖尿病への入り口とも言える状態です。しかし、この段階で気づき、適切な対策を取ることで、糖尿病の発症を防ぐことが可能です。運動療法を含む生活習慣の見直しは、その予防に大きく寄与します。自身の健康を守るために、まずは生活習慣の改善と定期的な検査を心がけましょう。