むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 同病異治

    熊本は梅雨入りしたそうですね。予報通り雨になりました。仕事が終わって家でゆっくりしていましたが、雨が降っているし、チョコザップはやめとこうかな、と思う自分と、ジムは天気に関係なくエアコンの効いた部屋で運動できるのがメリットじゃないか、という自分がいます。結局、今日サボったら梅雨の間ずっと雨を理由に家でのんびり、ということになりかねず、せっかくダイエットが成功しつつあったのに振り出しに戻ってしまう恐れがあります。ここは自分を甘やかさず、15分だけ走ってこよう、と思って行ってきました。行ってみるとチョコザップの中は人がいっぱい。みんなすごい!感心しました。

    漢方を専門にしていると、どこの病院でも治らなかった難しい症例がたくさん集まってきます。どう治していいか本当に頭を抱える難症例もありますが、パズルを解くみたいに理詰めで考えて治療法を模索しています。どれだけ検査をしてもわからなかったというような新患さんが毎日10名くらい来られます。最近ではそういう状態にも慣れてきました。患者さんはこのわけのわからない体調不良は一体どうしたらいいのか、と思って来られますが、私としてはこのパタンの場合はこの処方!と1分ぐらい話を聞いた時点でわかるときもあります。悩ましいときはあれこれと症状を確認します。それでも、自分の体調をうまく言葉で説明してくれればかなり確率よく治療できます。一番難しいのはうまく表現できないけどなんか調子悪い、なんか気持ち悪い、みたいな言い方をされる場合です。表現できない不調をこちらが察するのはとても難しいです。中高生で何を聞いても全く返事されないのも困ってしまいます。

    そういえば、もっと困る場合があります。それは、自分の体調不良をひたすらネットで調べて自分にはこの処方が合うと思うとか、どこかの大学が書いた論文でこの処方が効いたと言ってそれを欲しがる患者さん。それがほしいならとりあえず出しときます、とこちらは思考停止して、薬局の販売員と化します。漢方は他人に効いても自分に効くとは限りません。同病異治(同じ病気でも患者さんごとに処方が異なる)とか弁証論治(病態を把握して治療方針を考える)というのが基本中の基本で、西洋医学のように同じ病名なら同じ処方でだいたい良いのとは世界が違うのです。