むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • AIの進化に驚いた

    朝NHKニュースを見ていたら、アナウンサーではなくAI(人工知能)ロボットがニュースを読んでいました。男性女性の声で交互にニュースを読み上げます。本物と全く変わらない自然な読み上げでびっくりです。そのAIニュースが終わって、人のアナウンサーに変わったら、人が人らしい点に気づきました。それは、AIは細部まで完璧な発音ですが人が話すとベテランアナウンサーでさえ子音の発音がわずかに軽く小さい音だったりして強弱の抑揚があり感情がこもる点です。AIの発音が完璧すぎるのです。

    検索の分野ではこれまでGoogleの一人勝ちでしたが、なんと2−3日前に発表されたのがマイクロソフトの検索エンジンBingにオープンAIのチャットGPTを組み込むという話です。チャットGPTはすでにアメリカではブームになっており、小論文や企画書など何でもAIが書いてくれる超頭のいいAIロボットです。これまで人類が経験してきた産業革命第1の波が農業の発達、第2の波が蒸気機関、第3が自動車、第4がインターネットでした。現代のスマホやG5通信規格などもこの波の一部と考えられます。そしてついに今来ている第5の波が人工知能(AI)です。嫌だ、自分には関係ないと思っても絶対に避けて通ることはできません。波に乗り遅れるほど損をします。

    そこで、私も早速チャットGPIに利用登録して、AIロボットに質問を書いてみました。

    質問 「中途覚醒して眠れないときにはどうしたらいい?」

    ーーーーAIロボットの回答(そのままコピペ)ーーーー

    1 ベッドから起き上がる: ベッドから起き上がり、部屋を歩いたり、水を飲んだりすることで、リラックスして眠るための準備を整えることができます。ただし、スマートフォンやパソコンを使うなど、刺激的なことは避けるようにしましょう。

    2 深呼吸やリラックス法を行う: 深呼吸やプログレッシブ・マッスル・リラクセーション法などのリラックス法を行うことで、身体や心を落ち着かせることができます。具体的な方法は、深呼吸を数回繰り返したり、全身の筋肉をゆるめるように意識したりすることです。

    3 暗く静かな部屋を作る: 眠るためには、暗く静かな環境が必要です。部屋を暗くして、カーテンやシャッターで光を遮断することで、眠りを妨げる刺激を減らすことができます。

    4 寝室の温度を調整する :快適な温度で眠ることができるように、寝室の温度を調整することも大切です。一般的には、18〜22度くらいが最適な温度とされています。

    5 睡眠のための環境を整える: ベッドや枕、布団など、睡眠のための環境を整えることで、より快適に眠ることができます。自分に合った枕や寝具を選ぶことで、身体の負担を減らし、より快適に眠ることができます。

    以上のような方法を試しても眠れない場合には、無理に寝ようとせず、リラックスした状態で過ごすことも考えてみてください。眠気が出てきたら、改めてベッドに入ることもできます。ただし、長期間眠れない場合には、医師や専門家の支援を受けることをお勧めします。

    >>>この回答すごい!!!びっくりしましたーーーーーー

  • めまいの治療

    いい天気ですが風は冷たく、朝晩はかなり冷え込んでいます。今日明日は県立高校入試だそうです。当院の目の前も東稜高校なので、入試があっていたようです。皆さん頑張ってください。この季節は気温の変化も大きく体調が悪くなる人も多いみたいです。今日来院された患者さんではめまいが多かった印象でした。めまいは耳鼻科的な問題と自律神経の問題の2つが多く、残りは脳神経の問題です。よく、患者さんは頭を心配して脳神経内科などでCTやMRIを撮りに行く人が多いですが、脳の問題であることはめったになく、また脳の場合は独特の症状を呈します。症例で多いのは自律神経の問題なのですが、これはあまり検査で特徴的な所見がないので診断が難しいと思います。

    めまいの検査で耳鼻科に行ったら、耳は問題ないから心療内科に行ってみては?と勧められることがあります。ところが、心療内科に行ったところで、自律神経を治す治療薬などあまりないので、うまく治らないというのはよくある話です。安定剤やカウンセリングで改善する場合もあるかもしれませんが、それはほんの一部だと思います。

    漢方ではめまいに良く使うのは苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯の2つです。その使い分けは専門的なのでこちらには書きませんが、どちらもよく効きます。また、五苓散、真武湯もよく処方します。さらに、補中益気湯、葛根湯などを併用することがよくあります。結局、これらの処方は耳鼻科的な問題と自律神経の問題を根本から治療してくれる素晴らしいお薬ではないかと思います。

  • 残薬がある場合は教えて下さい

    当院では漢方をたくさん処方しますが、漢方の基本量は一日3回になっています。すると、多くの人は昼に飲めなかったから余っています、と言われます。あまりに昼飲めない人が多いので、私は多くの処方を朝夕の2回にしています。このところ、ものすごく漢方方剤が品不足になっており、使いたくても使えない状態が続いています。そんな中、飲みわすれて残薬がある場合は是非教えていただきたいと思います。その分を処方せずに済めば、他の多くの患者さんが救われます。指示通りに飲まなかったことを隠すため飲んだふりをするのはやめてください。限りある資源を有効に活用するため、いらない漢方をもって帰らないでいただきたいと思います。今は、指示通り飲まなかったけど体調いいです、というのは褒められることです。

    ただしこれは漢方の話です。血圧や糖尿の薬に関しては飲まなかったでは済まないことがあります。薬を飲んでいない日に限って脳卒中を起こしたり糖尿病が極度に悪化したりすることも考えられるので、きちんと飲んでいただきたいと思います。睡眠薬も飲まないで余ったらその分を調整するので、教えていただきたいと思います。溜め込んだり人にあげたりしないでいただきたいと思います。

    当院には、本当に難しくてどうやって治したらいいのか頭を抱えるような患者さんが毎日たくさん来られます。私は漢方だけでなく西洋薬も駆使して難病に挑んでいます。漢方で、とか漢方以外でとか限定されると治療が難しい場合があります。そして、やっとの思いで解いたパズルの答えが私の処方箋なのですが、たまに、その薬をネットで調べたら不安になって飲みたくなくなったので飲んでいません、というひとが出てきます。あれ程時間をかけて考えた処方を飲んでくれないなんて、とがっかりすることこの上ないですが、治ることを拒否されるのも患者さんの自己責任だから、私にできることはここまで、と割り切るしかない場合もあります(愚痴・・)。

  • ビタミンCと鉄の話

    予報通り雨の日曜日となりました。小雨の降る中熊本城マラソンが3年ぶりに開催されました。出場した皆さん、お疲れさまでした。例年のような寒さはなかったものの濡れた体で何時間も走るのは辛かったことと思います。特に、靴が濡れると走りにくく、マメもできやすいので大変だったのではないでしょうか。私は用事で流通団地の近くを車で通ったので、車窓からちょっとだけ応援しました。長距離を走ると活性酸素が大量に出るので、体が酸化してしまいます。ビタミンCをしっかりとっておきましょう。

    よくビタミンCは野菜や果物でしっかりとっています、といいう人がいますが、そんな量では全然たりません。抗酸化、アンチエイジングで必要なビタミンCは一日量が少なくとも2000mgです。栄養学の本には成人の一日必要量が100mg(レモン1個程度)と書いてありますが、それは病気せずにいきていくギリギリの量です。私がいう必要量はがん予防、老化予防、フルマラソンにも耐えられるだけの抗酸化力です。2000mgでレモン20個ですが、とても食品で取れる量ではありません。貧血治療に鉄剤を処方すると胃がもたれて気持ち悪いと言われることがあります。これも鉄剤が胃の中で活性酸素を発生するのが原因です。そこで活性酸素を消去するビタミンCを同時に飲んでおくと胃もたれは少なくなります。

    鉄剤を飲む時、ビタミンCを併用してもやっぱり飲めないという人も結構おられます。これまで、こういう患者さんには点滴(静脈注射)で鉄の補充を行っていましたが、最近はとても副作用の少ないリオナという内服薬が出てきました。もちろん保険適応です。過去、鉄剤を産婦人科などでもらったけど続けられなかった、という方にリオナをたくさん処方しましたが、だいたい皆さん飲めています。鉄欠乏は貧血だけでなくミトコンドリア内でのエネルギー(ATP)産生に必須なので疲れやすさなどに大きく関係しています。鉄剤が飲めないと諦めずにきちんと補充しましょう。

  • 薬を増量して期待される効果とリスクについて

    土曜日は相当な混雑となりました。お待ちいただいた皆様には感謝致します。先週の土曜日が祝日で休診だった影響もあり、2週分の患者さんが殺到されました。血圧の薬や睡眠薬など切れたら困る薬がいろいろあります。薬が数日なかったために体調不良となった方も多くいらっしゃいました。また、花粉症の季節となり、アレルギー薬を取りに来られた患者さんも多かったです。

    先日、糖尿病の患者さんにふとあるアイディアを思いついて薬を出したところ、今日来院されたので採血してみたら予想通りうまく行っていました。そのアイディアというのは、通常毎日飲んでほしい糖尿病治療薬とは別に、週末などごちそうを食べる日だけあと一粒追加で薬を飲んでもらうやり方です。そんな飲み方どこの教科書にも書いてないと思いますが、案外間違っていないと思います。とくに最近SGLT-2阻害剤というタイプの糖尿病治療薬はたべた糖質を尿中に排泄してくれるので、ごちそうを食べる日だけ多く飲むというのは理にかなっています。ほかの糖尿病薬を勝手に2倍飲むのは低血糖のリスクもあるので絶対に自己判断してはいけません。リスクなく増量する方法は知識と経験がないとできませんので、勝手な飲み方をせずぜひご相談ください。

    血圧の薬でもコレステロールの薬でも1剤でコントロールできないときは2剤併用するというのはよくやられていることです。花粉症の薬も1つで効かないときは2つ組み合わせることがあります。ただ、薬を組み合わせて使う際には飲み合わせの問題があります。同じ薬を2倍飲んでもいい場合もあるし、1.5倍までしか飲んではいけない場合もあります。医師や薬剤師の指示に従っていただきたいと思います。そういう私も、たまにしか使わない薬の場合、必ず添付文書を確認してから処方するようにしています。

    暖かい週末、梅が一気に咲きました