むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 自分の体を大切にする

    ものを大切にすると言うのは常識ですが特にお金は大切なものです。毎日窓口で受け取ったお金を整理するのですが、お札にメモ書きしてあるものを見つけることがあります。お金を大切にするとは程遠い行為だと思います。このようなことをするときっとお金からも嫌われて貧乏になってしまうのではないかと心配します。また、たまに10円玉が錆びて骨董品みたいになっているものを受け取ることがあります。これはそのままお釣りとして使いづらいので綺麗にします。どうするかというと、トイレ用洗剤のサンポールにつけるのです。あっという間に新品のコインのようにピカピカになります。金運を担ぐ人はお札が曲がらないように長財布を使います。そしてお札は向きを揃えてきちんと入れる。小銭でパンパンにしないのも大切です。

    板前さんが毎日包丁を研いだり、タクシーの運転手さんが毎日洗車をしたり、商売道具を毎日きちんとメンテナンスするのは当然です。商売道具を丁寧に使うのは仕事がうまく運ぶ基本です。私たち内科医にとって商売道具といえば、聴診器、筆記具、パソコンくらいしかありませんが、本当は手が大事です。患者さんの患部に触ってみることで異常を探ります。目や耳も大事です。つまり、診察では聴診器などの道具より、視覚聴覚触覚といった五感をフル稼働して情報を集めます。

    そう考えると、商売道具の手入れは大事ですが、もっと大切なものは、私たち自身の体のメンテナンスです。手にはハンドクリームを塗ってきれいにします。爪もまめにきって整えます。しかし、足の爪など毎日伸び具合を見たりしますか。顔や髪型を鏡で見たりする事は多いと思いますが、足の爪まではなかなか見ないかもしれません。商売道具の手入れも大事ですが、自分の体のメンテナンスも気をつけてするべきと思います。あと1週間で今年も終わります。頑張った自分の身体にもいい栄養を入れてゆっくり休んで1年の労をねぎらいましょう。

  • 風邪の基礎知識

    メリークリスマス! 雨のイブでしたが、雨が上がると寒波が来るとニュースで言っています。相当寒くなりそうなので、風邪に注意です。最近はどちらかというと風邪より胃腸炎の患者さんの方が多いですが、これからしばらく冷え込むと風邪が増えるだろうと思います。幸い今年もインフルエンザは出ておらず、通常の風邪ばかりですので、暖かくして静養すれば治るものだと思います。

    昔から風邪には葛根湯と言いますが、私は葛根湯より麻黄附子細辛湯をよく使います。これは子供には使わない処方なので、20代くらいまでは葛根湯、30過ぎたら麻黄附子細辛湯という感じです。それに桂枝湯や柴胡桂枝湯などを併せて使うとさらに効果的です。よく薬店で麻黄湯を売ってありますが、麻黄湯の適応となる患者さんはかなり絞られます。誰でも風邪の時に飲んでいいかというと、かなり疑問ですので、よくわからなかったら葛根湯にしてください。そこそこ効果があり、副作用も少ないからです。

    風邪の時お風呂に入ってもいいかとよく聞かれますが、私の答えはOKです。ただし、上がったらすぐ布団に入ること。だらだらとパジャマで過ごしていると悪化します。よく温まったらさっと寝てください。ビールやアイスなど冷たい飲食は避けましょう。お粥やうどんなど暖かくて消化のいいものを食べましょう。解熱剤はカロナール(アセトアミノフェン)が最も安全です。喉などの炎症が強い場合、ロキソニンでもいいのですが、インフルエンザの時はロキソニンが使えないので、インフルでないことを確認しないで飲むのは避けましょう。抗生物質は基本的に風邪には効きません。風邪が長引いて気管支炎や副鼻腔炎などになった時には有効です。

  • 生活習慣と関係ない病

    最近は、このブログをキーボード入力する時と、音声入力する時があります。音声入力はiPhoneやiPadに標準でついているメモのアプリでマイクのボタンを押すだけで話した言葉がどんどん文字起こしされます。結構使えるので、週末などイオンモールに散歩に行ったついでに、スタバの椅子に腰掛けながら携帯片手に独り言のようにブログの内容を口頭入力したりしています。先日、ふとしたことから自宅のクロームブックを使って同じようにGoogleの音声入力アシストを使いながらブログを書いてみたらその精度の高さに驚きました。人工知能(AI)のクオリティーが高く、アップルで入力ミスしていたような単語も間違いなく日本語にしてくれます。相当早口でもついてくるし、漢方用語でも大丈夫。さらに、同音異義語がある場合、文脈から判断して、できあたった文章をテキパキとAIが校正してくれているように見受けました。素晴らしいです。

    ところで、この週末は年に1−2度あるかというレベルの寒波だそうです。通常1−2月に来るレベルの寒波が12月に来るという意味では最強(12月としては)の寒波だそうです。今週は昼間暖かく快適なので、ギャップが大きくなりそうです。厚手の靴下や手袋、マフラーなど手首、足首、そして首を温めるアイテムを準備しておきましょう。

    話は変わって、なんでも自分のせいだと思う人と、人のせいだと思う人がいます。高血圧や糖尿病、高コレステロールなどをまとめて生活習慣病という言い方をしますが、この呼び名は、患者さんの生活が悪いから病気になったと、人のせいにしているところがあります。患者さんとしてみたら、自分が甘いものを食べ過ぎたせいだとか、唐揚げを食べ過ぎたせいだとか、自分のせいだと思う人もたくさんいます。しかし、糖やコレステロールや血圧が高いのはその人が悪いわけではなく、そういう遺伝的素因をもっているだけで、食生活など何も悪くないという人がたくさんいます。以前は、患者指導とか糖尿病教室とか、まるで病院が学校の先生で患者さんができの悪い生徒みたいな立場でしたが、それはおおかた間違っています。実は「生活習慣と関係ない病」がたくさん含まれているのです。

  • 日照時間と鬱(うつ)の関係

    夜空を見上げれば、満月を数日過ぎたと思われる綺麗な月の出が見えました。明々と輝く満月、私は大好きです。天文学はロマンがあります。今日は冬至だそうです。どうりで通勤時も帰宅時も真っ暗です。昼が一年で一番短い日でした。日に当たる時間が短いと鬱になりやすいということがわかっています。日本よりかなり北にあるヨーロッパも、冬の日照時間は短く鬱が増える季節です。そういうことを知ってか知らずか、ヨーロッパの人はよく日光浴をしています。公園などで真っ赤になりながら日に当たっています。この、日光と鬱の間の関連しているのはビタミンDです。日に当たると体内でビタミンDが活性化されますが、これが鬱を予防します。したがって、日照時間が短いこの季節はビタミンDを飲んでおくことをお勧めします。

    今日などは昼間とても暖かい日差しで九州はまだ恵まれていると思います。外が寒いなら家の中でもカーテンをあけてひなたぼっこをしましょう。元気な人は日差しのある昼間に外を散歩しましょう。厚着して外に出ると頭以外は日に当たりませんから、ビタミンDはできません。日光を意識して皮膚に日が当たるようにして散歩しましょう。

    ビタミンDは鬱の予防だけでなく、風邪の予防効果もあります。ビタミンDの血中濃度が高い人はコロナに感染しても重症化しないということがわかっています。ちなみに私は5000単位のビタミンDを週2回飲んでいます。ビタミンDといえば、骨を丈夫にするというイメージですが、実際はそう簡単に効果は期待できません。以前からこのブログに何度も書いていますが、骨はカルシウムだけでなくコラーゲンでできているため、タンパク質を必要充分摂取すること、コラーゲン産生に必要なビタミンCを取ること、骨に重力をかける運動をすること、カルシウムが骨につくために必要なビタミンK(納豆に含まれる)を十分取ること、など全てが揃わないと骨は丈夫になりません。

  • ものを買うことの難しさ

    先週末久しぶりにランニングシューズを買いました。ランニングシューズとは言え、走るのが目的ではなく通勤用の靴です。以前フルマラソンを頑張っていた時には年に何足も靴を買い換えていましたが、最近は走るといっても犬の散歩で小走りする程度なのであまり靴は痛みません。そういうわけで 久しぶりに 靴を買い替えました。以前から思うのですが自分にあった 靴を買うのは本当に難しいです。色やデザインばかり気にしていては良い靴は買えません。靴のサイズはもちろん、横幅や 靴の重さ、通気性、紐の結び目の高さなどいろいろなチェックポイントがあります。これらが自分の好みどおりになっているかをチェックしないと買ってすぐに後悔することになります。私の場合 ニューバランスやミズノ、アシックスといったメーカーのシューズは履き慣れているので大体どういった サイズでどういった規格のものを買えば自分にぴったりくるか分かりますが、普段買ったことがあまりないアディダスやナイキなどは 例え試着してみて良さそうでも、買って帰って履いてみるとあまり自分の足にフィットしないことが多く、最近ではそういったメーカーのシューズはほとんど買うことがありません。

    似たような事はいろんな物を買う時にあると思います。例えば車を買うとき自分の生活に合った車を買えばいいのですが、かっこ良さとか、世間体とか 、評判とかそういったことばかりを気にして買ってしまうと自分の生活にはうまくフィットせずに後悔することになります。 こういった場合我慢してそういった車に乗り続けるかどうかというのは非常に大きな問題です。最近思うのですが、こういう場合は あまり我慢せずに早く手放して買い替えた方がいいのではないかと思います。私たちの人生は長いようでそう長くはありません。一度買ったからといってその品物に執着して好きでもないのに長く使うというのは、人生の大切な時間を無駄にしているような気がするのです。

    車ぐらいなら買い換えることもできるかもしれませんが家やマンションなどは一度買ったらなかなか買い替えるのが難しいと思います。しかし、住んでみると 不便な場所にあったり、間取りが悪かったとか色々な問題が出てくることがあります。そういった際に果たして我慢してその家に住み続けるのか、それともまた新しいところを探して引っ越すのか 重要な問題だと思います。昔の日本人は農耕民族ですから、土地や田畑と家は先祖代々引き継ぐものであり簡単に手放して引っ越したりはしなかったと思うのですが、最近では そうでもありません。従って、住む場所というのは 無理に我慢するものでもなく自分の望み通りに うつってもいいと思うのです。