むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 血圧が上がる季節

    朝、5時頃新聞を取りに外に出たらオリオン座がきれいに輝いていました。季節は着実に冬に向かっています。9月もいよいよ最後、明日から10月です。それにしても日中はまだまだ暑く、熱中症で来院する患者さんもいました。畑仕事など野外での仕事はまだ油断できません。高血圧の患者さんを見ていると、夏の暑い時期は自然と血圧も下がり安定します。ときには薬を軽くして様子を見ます。私の感触では8−9月頃がいちばん血圧が下がるみたいです。そんな中、最近は急に血圧が上がり始めたといって来院される患者さんが増えてきました。まだまだ暑い日が続きますが、体はいち早く反応しているようです。

    血圧が安定しない疾患の一つに、心房細動という不整脈があります。心房細動は心臓が細かく震えるため脈拍がバラバラにうつようになり、自覚としては胸のざわつき、動悸などですが、慢性の場合あまり気づかない方も多いようです。そのような場合、最近の血圧計では不整脈を感知して知らせてくれるものがあります。それがどんな不整脈かまではわからないのですが、おかしいということはわかります。そのような際には、一度受診して心電図を取ることをおすすめします。心房細動は脈がばらつくために血圧も不安定になります。市販の家庭用血圧計ではきちんと測れないことがあります。医療用の(病院で使う)グレードだときちんと測れるようですが、それでも結構ばらつきます。心房細動では心拍そのものがばらばらになるため拍動ごとに大きく打ったり小さく打ったりするのです。

    心房細動で注意しないといけないのは大きな脳梗塞(脳塞栓症)を起こす危険があることです。今は薬も進歩し、一日1回飲めば脳梗塞を予防できる抗凝固薬があります。心房細動の場合、ぜひともこういう血栓予防薬を飲んでいただく必要があります。不整脈を治すのは2の次です。ビールなど冷たいものを勢いよくゴクゴクと飲むと、それが心臓の副交感神経を刺激して心房細動が起こりやすいと言われています。注意しましょう。