むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 精神栄養療法

    今朝の熊日新聞(8月25日17面)に精神栄養療法の記事がありました。かなり大きなスペースをさいて解説してありました。うつになりやすい人は栄養的に不足があるという話です。当院でも積極的に採血して不足している栄養(サプリ)の摂取を勧めますが、基本的には自分でネットなどを通して買っていただいています。アドバイスまではしていますが、買って飲むところは自分でお願いしています。良いサプリはアメリカ製が多いので、粒が大きくて飲みにくいとか、輸入に時間がかかってすぐ届かないとかいろいろ問題はありますが、他にいいものがあまりないので、その点は我慢してなんとかやっていただきたいと思います。

    新聞にもあるように、鬱に関連する栄養として、ビタミンB,C, D,葉酸、鉄、亜鉛、マグネシウム、アミノ酸(トリプトファン、メチオニン、チロシン)、DHA/EPA、腸内善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌)などです。これらの栄養成分のいくつかが不足するとうつになりやすいということです。家庭内で親兄弟は同じものを食べますから、親が鬱なら子供も同じ傾向になります。また、鬱だけでなく不安障害、パニック障害も同じ理屈で栄養不足が大きく関与します。

    そういうわけで、メンタル系の疾患では、日頃の食生活を見直して、炭水化物を減らし、肉や魚、野菜をしっかり食べるように指導します。心を病んでいる人の多くは、パンや麺、おにぎりなど簡単な食事しか入らないといいますが、それが病態を悪くしています。おかずをしっかり食べるようにしましょう。また、いくら栄養が不足しているからとはいえ、栄養療法だけでは数年単位での治療になります。いまストレスで仕事に行けない、という場合、栄養療法は大事ですが、薬の力も借りていったん体調を良くして、その後を栄養療法で置き換えていくようにしたほうが効率的だと思います。