むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 足がむくんでも慌てない

    お盆休みを前にして、梅雨に逆戻りしたような大雨でした。今年は梅雨明けも早かったので、もしかしたら夏もこれで終わりになるのかもしれません。今日は季節が変わったと思わせるほど肌寒い一日でした。しかし、診察中はどんどん来る患者さんに頭を使うので、オーバーヒートしないよう診察室を冷やして仕事をしました。多くのカレンダーは今日が祝日となっていたため、勘違いしている人もいたようですが、山の日は先週末に移動して今日は平日でした。紛らわしいことこの上ないですね。

    お年寄りの患者さんで、足がむくんだと大騒ぎして来院される事が結構ありますが、ほとんどの場合、心配には及びません。経過観察でいい(ほっといていい)のですが、心配されるので、利尿剤を増やしたりして足のむくみはできるだけ取れるようにします。しかし、それがいいかどうかはわかりません。薬を強力に使ってむくみを取ると、血管内脱水になり脳梗塞のリスクが増します。ナトリウム・カリウムなどの電解質バランスも狂ってくるし、腎機能も悪化します。それでも足のむくみをとって欲しいと言ったり、知人が亡くなる前に足がひどくむくんでいたので、自分もそろそろ危ないのではないかと心配したりします。私達からすると、そんなの関係ないです。むしろ、大量の利尿剤を高齢者に入れて無理やり利尿してむくみを取ることのほうが危険で怖いです。

    むくみは腎不全、心不全、肝不全(低たんぱく)、栄養失調、蜂窩織炎、深部静脈血栓、などいろいろな原因で起こってきます。採血すればどれが原因かはだいたい分かるのですが、どれにも該当しないときはリンパの流れが悪いと考えます。そういう場合、薬を使っても仕方ないのですが、患者さんが心配されるので、危険を承知で利尿剤を増量して無理やり浮腫の治療をしているのが現状です。たいてい、デイケアなどでじっと同じ姿勢で座りっぱなしなのがいけません。本来なら座っている時間を減らして、歩いたり、足を心臓より高く上げる(ゴロンと横になって壁の高いところに足を上げる体勢)を取るとか、マッサージするのが良いでしょう。