むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 梅雨は頭痛の季節

    今年はもう梅雨入りみたいですね。週間天気予報ではずっと雨が続きます。この季節、頭痛が増えてきます。気象病とでもいうべき状態です。気圧の変化や湿度で体調が悪くなる敏感体質の人にはつらい季節となります。当院でも、さっそく頭痛患者さんが増えてきています。

    頭痛の中でも、雨降り前にズキンズキンと脈打つような頭痛がする場合、片頭痛を疑います。女性が多いですが、年齢は小中学生から比較的高齢まで幅広くいます。片頭痛の治療は結構研究されており、単に頭痛薬を使うのではなく、片頭痛専用のトリプタン製剤がよくききます。また、予防的にβブロッカー(血圧の薬)や抗うつ剤なども大変有効です。私は漢方で体質改善をすることが多いですが、代表的な処方は当帰芍薬散、五苓散、呉茱萸湯などです。

    次に、多いのは緊張型頭痛。肩こりがひどくて頭痛がするもの。肩こりをとることで頭痛の予防ができます。漢方では桂枝茯苓丸加薏苡仁あるいは葛根加朮附湯などを使います。西洋薬では、ミオナールやテルネリンという筋弛緩剤が有効です。

    これら片頭痛や緊張型頭痛で問題になるのは薬物乱用頭痛というもの。鎮痛剤を使いすぎると、悪循環で頭痛が悪化します。これが疑われた際は、頭痛薬をひたすら我慢すれば次第に頭痛がへるというもの。しかし、辛くてつい鎮痛剤をのんでしまう人が多い。そこで、抑肝散という漢方を入れると、無理なく鎮痛剤の使用が減って治ってきます。このように、頭痛の治療は頭痛のタイプ別に異なりますので、なかなか治らず困っている場合はご相談ください。

    麦畑。豊作です