むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 西洋薬(=飛行機)と漢方(=タクシー)

    毎日、県内外からいろいろな症状の患者さんが来られます。難しい症例ばかりで難解なパズルを解くように気合を入れて考えています。西洋医学だけでは難しく、逆に漢方だけでも難しい。仕方ないので東西医学のハイブリッドで対応することが多くなっています。なかには漢方でお願いしますとか、漢方(粉薬)は飲めないので錠剤でお願いしますとか、言われます。そういう場合、できるだけ考えて対応しますが、難解なパズルのピース選びに制限を加えられるとうまく行かない場合もあリます。臨床においてはパズルほど厳密にピースを合わせなくてもいいのですが、患者さんが漢方だけでとか、錠剤で、とか条件をつけられると私が思うベスト処方ではなく2番手3番手の処方になってしまいます。

    例えば東京に行くつもりでいても、今日は東の方角はダメです、とか飛行機は無理です、みたいな条件をつけられると、うまく行ける(東京に行ける=症状を治すことができる)と思っても、思ったとおりに進めない結果、治療成果が出ない(目的地に達することができない)事があると思います。子供には錠剤しか無理とか、粉しか飲めないとか言うのは仕方ありませんので、無理強いはしません。実際には診察室で漢方は無理です、とか言われると、この人は本気で治りたいと思っているのだろうか?と思うのですが、顔はにっこり、大丈夫です。漢方以外で処方します、といいます。当たり前です。良かれと思って処方しても飲めなければ治療にならないからです。

    とはいえ、最近当院に来院される患者さんの多くはこのブロクを読んで、わざわざ遠くから来られるような方が多いので、漢方治療を受け入れてくれることが多いです。しかし、漢方好きの私が考えても、西洋薬で治療した方がいいと思う場合、漢方だけでの治療には賛成しません。西洋薬(飛行機)と漢方(タクシー)をうまく使い分けないと目的地にはなかなかつかないと思うからです。