むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 夏風邪に麻黄湯は使いません!

    レジ袋が完全有料化されてからは、家のゴミ箱にセットしていたビニール袋がなくなり、とても困っています。仕方ないので、ゴミ袋になりそうなビニール袋を買ったりしています。これでは結局プラスチックゴミの削減にはなりません。また、各人が持ち歩いている買い物袋が、野菜くずや肉などのパックから漏れた汁で不潔になっている場合も多く、衛生面や感染対策などを考えるとプラスチックバッグのほうが良かったと言われています。そんななか、ネットで見た情報ですが、千葉のイオンでは市指定のゴミ袋を一枚8円でばら売りしてレジで売ってくれるそうです。そうすると、その市指定のゴミ袋に買ったものを入れて帰れば、そのままゴミ袋として再利用できるというわけです。イオンすごい!頭いい!

    ところで、最近2例たて続けにあった話です。風邪を引いて薬局に行き麻黄湯を買って飲みました、という話です。今の季節、わたしたち漢方のプロは絶対に麻黄湯は使いません。病状が悪化するからです!夏風邪に麻黄湯は99%効かない(むしろ害がある)と思ったほうがいいでしょう。麻黄湯というのは体を温めて発汗させることで風邪の邪(じゃ)を体外に追い出す処方です。鳥肌が立つほど寒気がして、厚着をして暖房にあたっても震えが止まらないような場合にのみ使います。夏用の漢方の風邪薬として、中国には銀翹散とか天津感冒片という処方があり、日本でも漢方専門の薬局では手に入りますが、病院の処方薬にはありません。そこで私が代用するのは小柴胡湯加桔梗石膏です。夏はほとんどこの処方です。新コロに対して中国ではこの処方を応用して非常に有効だったと報告されているので、更に心強いです。

    ところで9月9日は重陽の節句です。3月3日、5月5日、7月7日と奇数が重なる日はめでたい節句ですが、なかでも9という数字は最強の数字です。その9が2つ重なる9月9日は最も縁起の良い日です。菊の花をお酒に浮かべて祝うのですが漢方には菊花(きっか)という風邪に効く生薬があります。花の蜜がほのかに甘い処方です。刺身の上に飾られている菊も同じく食用菊です。抗菌作用があるので刺し身に添えてあるのです。

    ドラゴンキッチンの駐車場にて、見たことない真っ直ぐ伸びたススキ?