むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 台風を怖がりすぎるのは不安障害

    幸い台風9号はたいした被害もなく済みそうです。ほっと一息です。しかし、今回は次の10号の予行練習です。今度の日曜にはさらに強力な台風が九州を直撃するかもしれないとのことです。今後、水温の高い東シナ海で台風は勢力を増して、場合によっては伊勢湾台風なみの気圧(920hPaくらい)に成長する可能性があると言っていました。目が離せません。

    台風接近で頭痛がする人、喘息が出る人など、気象に敏感な体質の人がいます。気圧の変化に体が反応するわけです。漢方では五苓散、苓桂朮甘湯などを用います。もう一つ台風絡みで当院にかかっておられる疾患に、台風恐怖症というのがあります。恐怖症というのは不思議なもので、人によって歯医者さんが怖いとか、狭いところが怖いとか、モールみたいに人混みが怖いとか、運転で渋滞にはまったり、トンネルが怖いなどなどいろいろな場合があります。その仲間で、とにかく台風が怖い、雷が怖いという人がおられます。ずっと台風の進路が気になって携帯の気象情報から目が離せない人。仕事にならないどころか、夜も眠れないほど恐怖を覚えるようです。

    こういう恐怖症は不安障害という疾患に分類します。頭のセロトニンという物質が不足したために起こると考えられています。SSRIという薬はセロトニンを増やしてこのような不安障害を治します。また、セロトニンが不足しやすい体質の方は、セロトニンの材料となるタンパク質(肉や魚、卵など)を人一倍食べること、タンパク質からセロトニンへ代謝する際に必要な鉄、ビタミンB6,ナイアシンなどをしっかりとっておくことが必要です。これらビタミン類はサプリでとる方が十分量とれるので間違い無いと思います。