むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 夏バテは漢方で治す

    夏によく使う漢方があります。清暑益気湯といいます。補中益気湯は有名ですが、似たような処方で、全身倦怠感や食欲不振を治療する処方です。補中益氣湯と異なる点は、体を冷ましてくれる(清熱)作用がある点です。したがって、夏バテには最適な薬です。暑さのせいで体がきついとか、食欲がないといった場合に抜群に効きます。しかし、夏バテは1つではありません。いろんなパタンがあるので、それなりに頭を使わないと治療効果は落ちます。

    暑いので冷たい食べ物や飲み物を取り過ぎたら、お腹が冷えて体調不良となります。体は体温を維持するために冷えたお腹にどんどんエネルギーを使って温めます。それだけでもむだに体力を使うのでバテてしまいます。疲れやすい人は常温以上の暖かい飲食をとるようにに気をつけるべきです。夏の水分はできるだけ(冷やしていない)水がおすすめです。お茶やコーヒーではカフェインに利尿作用があります。お酒にも利尿作用があります。すると、せっかく取った水分が尿となり体から抜けるので脱水の補正効果が薄れてしまいます。また、スポーツドリンクやビタミン配合のドリンクなどは健康に良さそうですが、私は飲みません。過剰な甘味料や香料が入っているからです。

    炎天下で仕事をする人(農業、建築、スポーツ、工事現場で働くなど)には清暑益気湯だけでは不十分なことがおおく、もっと多量の清熱剤(黄連解毒湯や温清飲)を使います。口渇がひどい場合は白虎加人参湯を併用します。このような工夫をすることで、夏を快適に過ごせます。備えあれば憂いなし。