むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ムズムズ足とアカシジア

    むずむず脚(レストレスレッグス)症候群という変な名前の病気があります。寝ようとすると足がムズムズして眠れなくなります。仕方ないのでベッドから起き上がって部屋をウロロします。動いていないと気持ち悪くて落ち着かないのです。不思議ですね。このところたて続けに何人もの患者さんが来院されました。患者さんにしてみれば、眠れないだけでなくとにかくムズムズして落ち着きません。しまいにはイライラして精神的にも参ってしまいます。

    むずむず脚症候群にはいくつかの原因があるようです。第一に鉄欠乏です。女性、特に産後に見られることが多く、男性や更年期以降の女性には少ないようです。鉄を補充することでムズムズが取れます。もう一つが、脳神経の問題。パーキンソン病の治療薬が有効です。比較的高齢の方に多い気がします。3つ目にそのどちらでもないパタン。実はこれが結構多いと思います。末梢神経(感覚神経)の異常ではないかと思うのですが、ある種の安定剤がよく効きます。当院では、これらのどの原因で足がムズムズするのかを調べながら、治療を勧めます。

    とても似た病態でアカシジア(静座不能)という病気があります。ソワソワして、いても立ってもいられなくなり、動き回ります。はたから見ると、落ち着きがないレベルではなく、明らかにおかしい感じがします。このアカシジアの原因は薬剤性が最も多く精神科の薬の副作用であることが多いので、薬剤の見直しをすることが先決です。何も薬を飲んでいないのにアカシジアが出ている場合、ムズムズ足と同じように安定剤の一種がよく効きます。このような状態では、待合室でじっと待つこともとても苦痛を伴うと思いますので、受付で事情を話していただければすぐに対応します。命に関わるわけではありませんが、急患扱いで順番を繰り上げて対応します。遠慮なくご相談ください。

    下通のアーケードで見つけた韓国料理ハヌルオンマ。サムギョプサルセット1500円。特大のポークにサンチェ、キムチなどがついてました。間違いなく本場の味でした。

  • 不眠の治療

    去年の秋に顔のレーザーシミ取りをしました。レーザーをしたあとは一度シミの部分の皮がむけて下から新しい皮膚が再生してきたのですが、その新しい皮膚が赤みが強くて最初よりもかえって目立っていました。最初にシミ取りクリニックで「いったん赤みが増したあとだんだん色が薄くなります」と聞いていたので、辛抱強く待っていたら、最近やっとその部分の色が薄くなって、きれいになりました。シミの部分は殆ど目立たなくなりきれいな頬になり、満足です。シミ取りは自己満足の世界なので、欲を言えばきりがないのですが、これ以上は当分いらないかと思っています。最近は新コロのせいで仕方なくマスクをして仕事をしています。残念ながら、せっかくきれいになった私の頬は誰も見れないですね。

    話は変わって、最近は不眠症の新患さんが大勢来られます。眠れない人に睡眠薬を出して、ハイ終わり、というわけにはいきません。心療内科も標榜するプロとして、睡眠に関しても色んな方向から分析して薬を決めています。不眠は、入眠障害(寝付けない)と、中途覚醒(いったん寝てもすぐ目が冷めてその後眠れない)、早朝覚醒(あさ3時4時頃目が冷めてその後眠れない)などに分けられます。どのパタンかによって使う薬を変えます。

    また、背景に職場や家庭のストレス、入試、何かの締切に追われて寝てる場合じゃない、などの原因もあります。また、不安障害で、風が吹いて窓がゴトゴトとなっただけで眠れなくなるとか、うつで自分の価値がわからなくなってしまって眠れないとかいろんなパタンがあります。それぞれに最適な薬で眠れるようにします。最近は、デパス(エチゾラム)とかハルシオン(トリアゾラム)などをできるだけ使わないようにという風潮です。私の外来でも極力こういった薬剤は出さないように注意しています。

  • 犬のしつけと飼い主の口癖の関係

    日中は学生さんたちの姿も多く、道もだいぶ混んできました。従来の活気が戻ってきています。夜に犬の散歩をすると、まだ人通りは少なく寂しいですが、最近は犬の散歩をしている人がやたら多いように感じます。みなさんステイホーム中にすることがないから犬でも飼ってみようと言う感じでしょうか。犬を飼い始めた初心者にあるあるですが、散歩中にやたら厳しい!言うことを聞かない我が子を叱るかのように子犬に対してもガンガン叱ったり指示を出したりします。ある程度なれた人は、そんなことしないので、初心者だなと思います。

    犬をしつけるときに絶対やってはいけないことの一つが、名前を呼んで叱ることです。例えば、「ゴン太!こら!だめでしょ!」というと、「ゴン太」という名前と「こら!」という叱責がセットになって染み付きます。そうすると、ペットの頭では「ゴン太」と呼ばれると、「こら!」と怒られると思ってビクビクするのです。

    これは、犬だけでなく子育てや部下に対しても同じだと思います。もし部長が、「ちょっと、田中くん、こっち来て!」といったあとに怒られるというパタンを繰り返すと、部長に「田中君」と言われただけで嫌な気分になります。また怒られる、と条件反射的に身構えて交感神経が緊張し、汗が出たり動悸がしたりします。したがって、上司たるもの、部下に対して変な条件反射を作らないように日頃の言動には十分注意が必要です。

     

  • 私の腰痛の治し方

    今年の正月から参加している経営者モーニングセミナーというのがあり、毎週1回朝の6時から7時まで講演会に参加していました。ところが、コロナの影響でそういう講演会はことごとく中止となりました。そんな中、ついに全国各地でZOOMを使ったオンライン配信が始まりました。今日は、司会が福島の郡山、演者はロサンゼルス、聴衆は日本各地から120名という会でした。私はどうせ朝は5時から起きてコーヒーを飲みながら新聞を読んでいるので、その時間に自宅でトップレベルの講演を聞くことができるのならこんなにいいことはありません。今日の講演はたまたまFacebookで見かけて知ったので参加できたのですが、日本中でいろんな講演があっているはずなのに情報が全くない、と思って、知り合いに尋ねてみました。すると、そういった情報が集まったサイト(Facebookグループ)に招待してくれました。見たら、毎日たくさんの講演会がZOOM配信されています。見ているだけでワクワクしてきました。どんどん勉強して、医学だけでなく、経営者としての腕や人格も磨きたいと思います。コロナは皆さんいやな思いやこわい思いをされたことでしょうが、このように仕事のデジタル化、オンライン化が一気に進んだのは瓢箪から駒でした。

    話は変わって、最近クリニック前の街路樹の落ち葉が毎日たくさん落ちているので、朝から掃除するのですが、腰が痛くなってしまいました。私は、自分の腰痛はストレッチポールで治します。ストレッチポールは直径20センチ、長さ1mほどのウレタン製の丸太状のリハビリ器具です。丸太の上に寝転がるだけで痛みやしびれが取れます。大体3000円程度で買えます。おすすめですよ。

    漢方では、腰痛には麻杏よく甘湯をよく使います。ぎっくり腰にはそれに芍薬甘草湯を合わせて使います。高齢でだんだん腰が悪くなった場合牛車腎気丸がおすすめです。女性の場合、疎経活血湯を使う場合もあります。また、当院ではハリ治療を併用することもあります。ぎっくり腰にはよく効きますが、10年以上たった古傷にも針が結構おすすめです。なかなか治らないとあきらめずに漢方や針もあるということを思いだしてください。

  • 夏バテ・熱中症に注意

    雨になったので涼しい一日でしたが、最近はかなり暑い日が続いています。私の処方では、季節に応じて調整するのが当たり前です。例えば血圧。夏は下がる人が多いので、薬を軽くします。また、利尿剤を降圧剤として使用している場合、夏は脱水に注意が必要です。場合によっては夏は利尿剤を切ってほかの種類の降圧剤に変更します。漢方でも季節ごとの変更をします。例えば、元気を出すために補中益気湯を処方しますが、夏は清暑益気湯という夏バテ予防の処方に切り替えます。冬に冷え性対策をしていた場合、夏は温めすぎないように処方を考えます。ただ、なかには夏のほうがエアコンが効きすぎて会社で冷えて体調不良という人もいますので、内容を聞きながら夏の処方を決めていきます。

    それにしても、急に暑くなって来たので体がついていけずに頭痛がしたりめまいがしたりだるくなったりと、夏バテみたいな症状が出ている人がいます。あまりに暑いので、エアコンを入れて快適に過ごすのが一番ですが、本来は、夏本番に向けて今は暑さに体を慣らす時です。皮膚は汗をだして体温を調整するのですが、汗をかく練習がないと夏本番で汗が出ずに熱中症になりやすいといわれます。そこで、一日中エアコンのきいた室内で快適に過ごすのではなく、少しは外に出て汗をかきましょう。サウナで汗をかく練習をしているひとは大丈夫と思います。

    当院では、漢方をたくさん使いますが、夏バテ対策は水分補給と漢方です。野外で仕事をする農家の方、交通整理、道路工事、建築業、部活などいろんな人が外で活躍しています。漢方を飲んでおくとかなり元気に過ごせますので、体調を壊す前にご相談ください。今日のニュースでは、野外でソーシャルディスタンスが保てる場合、マスクは外しましょうとのことです。やはりマスクをすると暑いので熱がこもって危険です。特に小さいお子さんはマスクをしないようにとのことです。