むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 時代の荒波の真っ最中

    感染予防のために聴診器を使わない診察をはじめました。この数日、できるだけ患者さんに触ることなく、話を聞くだけで薬を処方しています。これは、内科医にとってかなりチャレンジです。触ってみればいろんな情報がとれます。熱い、冷たい、腫れている、むくんでいるなどは当然ですが、漢方では触ることで気の流れも見ます。達人は顔を見ただけでそこまでわかるのでしょうが、普通の漢方医は脈などを触ってみて気が多い少ないなどの判断をするのです。

    漢方は寒熱虚実で処方を決めます。西洋医学が病名で薬が決まるのとはかなり違う論理があります。寒熱虚実は触ってみるとわかることが多いのですが、患者さんの話を細かに聞くことで代用する事ができます。例えば、指が腫れて痛いと言う場合、じっとしていても痛いのか、動かすと痛いのか、お風呂で温めたら痛みは減るのか、夏と冬で痛みは違うのか、など、あれこれ情報を集めることで寒熱の判断ができるのです。

    このように、患者さんに触らない診察は新コロ対策としてやむを得ず始めたわけですが、この習慣が1ヶ月も続くと元に戻ることはないと思います。それくらい、今回の新コロの与えるインパクトは大きいと思います。テレワークなども同じだと思います。一旦今までの習慣から離れてしまうと元には戻りません。好むと好まざるとこれが世の流れです。ふとテレビを付けたら「さんま御殿」があっていましたが、あんなに大勢の芸人さんがギュウギュウ詰めにひな壇に座るなんてありえないと皆が感じれば、ああいう番組はそのうちなくなってしまうのです。時代の流れ、今は急流下りのような荒波にもみくちゃにされている真っ最中です。自分にできることをするしかありません。