むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 「予祝」の力

    医者の仕事をしていると、製薬会社から薬のプロモーションに来ます(MRさんという)。頼んでもいないのに、新薬がいかに優れているか、ひとしきり喋って帰っていきます。そんな話を聞いても何の宣伝効果もありません。医薬品情報はほとんどネットで手に入るし、忙しい中患者さんの間に割り込んできて単なる時間泥棒です。患者さんは診察代を払ってくれますが、薬屋さんはボールペン一本もくれません。製薬メーカー間での取り決めで、そういう事になっているからです。聞くだけ時間の無駄ということです。

    しかし、なかには話のうまいMRさんがいます。それは、私がほとんどその薬を使っていなくても、いつもご処方いただいてありがとうございます、と先にお礼を言われる場合です。人は、たいしたことをしていなくてもお礼を言われると、逆にそのことをしてあげたくなるようです。ちょっとその薬も使ってみようかな、って感じです。

    大嶋啓介さんという有名な講演家がいるのですが、彼の講演をYouTubeや著書でかなり研究しました。願い事が現実になる前にまずお祝いすることを「予祝」と言うそうです。先に、夢がかなったとリアルに想像して祝ってしまうと、その夢は必ず現実になる、ということ。受験シーズンですが、神頼みするときも「合格しますように」ではなく「おかげさまで合格しました。ありがとうございます」とお祈りすると現実になるらしいです。神様も、先にお礼を言われたんじゃ通さないわけにもいかないな、と思うのでしょうか。今日はパルコ閉店の日でした。そこで、雨のなか下通りに行ってみたついでに手取神社に行き「コロナ肺炎がはやっていますが、今日も元気に仕事をさせていただいてありがとうございました」とお礼を言ってきました。TVばかり見て怖い怖いと言っていてはだめですよ。一日一日を感謝して過ごしましょう。