むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 人生ゲーム「コロナ肺炎流行で1回休み」

    インフルエンザのシーズンになると年に数人ほど、インフルエンザに罹ったけど、治ったかどうか検査してほしいと言われます。そんな事はできないと断ります。インフルエンザの検査キットはインフルエンザかどうかを診断するために最適化されています。臨床検査の基本として感度と特異度があります。感度が高いと僅かなウイルスでも陽性に反応しますが、本当は陰性なのに間違って陽性になる偽陽性が増えてきます。逆に特異度を上げると陽性と出たらほぼ間違いなく陽性ですが、陰性と出ても実は陽性だった(偽陰性)という場合が増えてきます。このバランスを最適化して臨床で応用するわけです。

    そこで、診断キットは診断に適している(陽性を判定する)のですが、治ったかどうか(陰性)を判定するためのものではありません。今回の大阪のコロナ肺炎患者さんで一旦PCR検査で陰性で治ったと判定されたのにしばらくしてまた陽性反応が出たと騒ぎになっていますが、臨床検査の常識ではそんなこと普通にあります。偽陰性だったということです。騒ぐのは検査の基本がわかっていないからです。

    クリニックは朝から開店休業のような閑散とした状況でしたが、夕方までに通常と同じ程度の患者さんに来ていただきました。飲食店や旅行業者など更に厳しい状況と思います。とんでもない不況が始まりました。嘆いても仕方ありません。今後の展開をじっくり考えないといけません。考える時間はたっぷりあります。仕事は暇ですから・・・職場の掃除をしたりスタッフと忙しいときにはできないような話し合いをしたり、有意義に時間を使いたいと思います。人生ゲーム、サイコロを振ったら「コロナ肺炎流行で1回休み」みたいな一時休止状態。

    サクラマチの屋上