むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • AIにはできない仕事をやる!

    健診でコレステロールや血圧が高かった場合、精密検査(二次検診)になります。当院でも、二次検診はいつもやっています。便潜血陽性の場合は、胃カメラや大腸カメラの検査が必要ですから、消化器の専門を受診してください。また、肺に影が見つかった場合はCTをお勧めします。それなりに大きな病院での再検査をお勧めします。当院のような一般的なクリニックで行う二次検診は血圧、心電図、脂質(コレステロール、中性脂肪)、糖尿、腎機能、尿酸などです。

    私が一番気にしているのは、ガイドライン一辺倒にならず、患者さんの年齢、性別、家庭環境など総合的に判断して治療方針を決めるということです。誰にでも血圧は135/85以下にしないといけないというような機械的な判断はしません。もし、機械的な判断でいいのなら、人工知能(AI)があれば、そういう医者の代わりは全部やってくれます。検査データを入力すれば、過去の論文やガイドラインを照らし合わせて最も有効と思われる薬を勝手に処方してくれる、そんな世界です。私は、それではいけないと思っているのです。

    実際の治療というのは、家族構成、だれが夕食を作るか、買い物はどうするか、薬はちゃんと忘れずに飲めるか、認知症はないか、世話してくれる人がいるか、いろいろ考えないといけません。それによって、オーダーメイドの治療方針が決まるのです。ガイドラインは大衆向けのものであって、個々の症例にマッチしたものとは限らないのです。最近のガイドラインやエビデンスしか信用しない風潮には流されまいと抵抗しながら日々臨床をやっている次第です。