むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 保険診療の問題

    歯科の治療を見るとわかりますが、保険診療は必要最低限のものです。お金を払えばどれだけでもクオリティーをアップできます。医科ではまだそこまではありませんが、歯科の領域は完全に混合診療が黙認されています。どうせ治すならきれいにしてもらいたいし、痛くないようにしてもらいたいからです。今日、ネットをみていたら、歯科の治療を受けるために飛行機でバンコクに行く日本人の話がありました。あちらのほうが専門に特化したクオリティーの高い歯科医師が揃っており、保険と関係ないので最先端の医療を提供してくれる。しかも、日本の保険では全部の歯を一気に治すことが認められていないため、週1回通ったとして半年ほどかかるような治療がわずか数回で終わるそうです。飛行機代を出しても通院費の合計は日本で保険を使った場合と遜色ないという話でした。

    私がアメリカにいた時、テキサスやカリフォルニアなど、メキシコとの国境の町(メキシコ側)には歯医者さんがたくさんありました。アメリカ国内でべらぼうに高い医療費を払えない人は国境を超えて歯科治療を受けるのは常識です。日本は島国なのでそういう意識が少ないかもしれませんが、いよいよそういう時代に入ってきたようです。そう、美容整形の分野ではプチ整形やシミ取り、シワ取りなど韓国旅行のついでに受診するというのは何年も前からブームですね。

    日本の医療は安いだけが取り柄です。安いので一日に100人近い患者さんをみないとビジネスとして成り立たない。アメリカではせいぜい10人くらいで採算が合います。みんなゆっくり丁寧に仕事していました。日本の安い医療は患者さんの行動にも影響します。ちょっと心配だからとCTをとったりMRIをとったりします。外国ではありえない話です。おかげで、見つけなくていいような小さなガンまで見つけて手術します。膨大な医療費がかかります。しかも、実は何もしなくてもたいして予後は変わらないという事が多いのです。