むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 新卒が活躍するために

    先日の土日は 医師国家試験があったそうです。医学部の学生にとっては6年間の勉強の集大成です。緊張したことと思います。そうした中、私が関係する熊本大学の東洋医学研究会というサークルの追い出しコンパがあったので、参加しました。今日ははれて試験が終わり、みんな4月からの新しい職場のことで胸がいっぱいでした。最近は県外出身の人が多いため、卒後は関東や関西などに散っていくようです。熊本に残って研修を予定している人はわずか2名でした。あとの10名ほどは県外です。

    若い研修医の先生たちはこれからいろんな試練が待ち構えています。臨床の勉強は患者さんの命がかかっているので失敗は許されません。毎日が真剣勝負です。緊張しすぎてパニックになる人もいます。昔は新米医者の教育は(ドイツ語を日本語風にアレンジして)オーベン(先輩)・コベン(見習い)と言って新人は先輩に弟子入りして見様見まね、手取り足取りの指導がありました。しかし、最近は働き方改革と言って、研修医は5時過ぎたら帰さないといけない。たいてい病院の勉強会は夕方6時とか7時ごろにに始まりますが、働き方改革の結果研修医にカンファレンスに時間外に参加しろと命令できなくなりました。自主参加でお願いします、と下からお伺いする感じです。

    こんなことでちゃんとした医者が育つはずもありません。皆さんの職場も同じだと思います。働き方改革は日本人をさらにナマケモノにして国際競争力をどんどん落としてしまいます。ブラック企業は確かに困りますが、本当のブラックは働く時間の長さではなく上司の指導方法にあると思います。根性で働かせるいわゆる体育会系は困りものですが、愛情をもって育てれば、多少残業があっても下は文句を言わないでしょう。自分も早く一人前に仕事ができるようになりたいと思っているからです。