むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 小腸を元気にする

    腸活という言葉が話題です。当院は消化器内科は標榜していないのですが、漢方を専門にしていると、消化器の悩みもよく相談に来られます。多くは消化器内科にかかって治療したけど良くならなかったというような難しい症例です。大抵の症状は漢方などを駆使すれば取れるのですが、結構難しいのが少し食べるとお腹が張る、ガスが多い、というものです。

    最近、腸活関連の本を読みました。「小腸を強くすれば病気にならない:江田証 著」です。本の前半はダラダラと説明が書いてあって読むのも面倒なページが続きますが、私が治療に難渋している「ガスが多い、お腹がはる」症状はSIBOと呼ばれる病態だと知りました。SIは小腸の頭文字。Bはバクテリア(腸内細菌)Oは過剰増殖をさします。つまり、小腸内で腸内細菌が過剰増殖することを意味しています。通常、腸内細菌は大腸で増殖するのですが、小腸にはほとんどいません。これが小腸で過剰増殖すると食べたものが異常に発酵してガスが多くなるようなのです。

    本の後半には対策方法が書いてあります。本書で最も大切なパートです。このような病態では、通常お腹に良いとされる納豆やヨーグルトなどの発酵食品や腸内細菌の餌となるオリゴ糖は逆効果だそうです。また、小麦製品やりんごは避けるべきだとのこと。昨日書いたように歯磨き、舌磨きを食事の前にすることも、口腔内の悪玉菌を飲み込まない様にすることは重要な対策だとのこと。治療の方法がわかったのは素晴らしい!当院に通院中の患者さんにも早速教えたいと思います。