むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 実はこわい健康診断!

    最新の週刊現代(1/25号)を読みました。トピックは「病院の検査はこんなに危ない」です。ちょっと目を引くタイトルです。内容は、私からするとほぼ納得いくものでした。ちょっと過激なところもありますが、それは週刊誌、そう思って読んでください。ただ、でたらめでなく、よく書けていると思いました。私も常日頃ここに書いてあるような危険性を感じています。頭痛がするからCTと取りたいとか、胃の調子が悪いから胃カメラ、ついでに大腸のカメラもしたいとか、検診のついでにがん検診をオプションで付けたら精密検査に引っかかり更に検査を受けたとか、検査好きの皆さんにはついていけません。

    アメリカは医療費が高いので、検査をするかどうかはメリットとデメリットをしっかり天秤にかけて判断します。日本は皆保険の上に最初からの設定価格が異様に安いので、つい検査をしたほうが安心、という選択をしてしまいます。じつは検査をしなければよかったという事例がどれだけたくさんあるか、私達プロしか知らないと思いますが、週刊誌を読んで勉強してほしいと思います。

    ちょうど同じタイミングで出た最新号の週刊ポストも同じような話題です。「健康診断は嘘を付く。ーこのがん検査を受けなければ命を落とさずに済んだのに」という表紙です。読んでみましたが、内容は同じようなことでした。ポストより現代のほうがよくかけています。いずれにしても、検診は<ビジネス>だということを忘れてはいけません。患者さんをおどしていろいろ検査して、お金を取られた上にいらない治療まで勧められることがあります。患者さんも勉強が必要です。親身に相談に乗ってくれるかかりつけ医がいれば一番いいでしょう。

  • 20年前アメリカの医療現場で見たものが今ここにある

    昔アメリカのTVドラマでERという番組がありました。私が医師になりたての頃はやったものです。当時はケーブルテレビで見るか、レンタルビデオで見るしかありませんでした。ERというのは救急救命室という英語の略語で、英語圏の人にとってはだいたいERで通用します。このドラマが一斉を風靡したのは、とてもリアルな描写だったからです。本当に病院の救急の現場はこの番組のとおりなのです。それまでの医療系の番組は名医が難病患者を助ける話などが多かったのですが、このERでは実際の現場のとおり、1−2割の急患は助からずに亡くなります。リアルに番組でそれを再現したところが話題でした。私はアメリカ留学中、集中治療部に所属し、救命救急を毎週まわっていました。当時私は血液凝固異常と急性呼吸不全を研究テーマにしてたため、テキサス大学病院の救急でもそのような患者さんを見てはレジデントに治療方針をレクチャーしていました。

    その懐かしいERの番組が、アマゾンプライムでただで見られるようになりました。見てみると、1995年とあります。なんと25年も前の作品です。救急の現場は25年たった今も同じです。ただ、番組の中の世界と今とでは変わったところがいくつかありました。一つはポケベル、アメリカではページャーとよんでいましたが、医師は全員持っていました。今は院内PHSになり、風景は変わりました。もう一つはレントゲンです。昔はフィルムを現像したものを見ていましたが、今ではパソコンの画面で見ます。デジタル撮影になったからです。

    私が留学していたとき(20年前)、アメリカの大学には今あるレントゲンのデジタル画像があちこちのパソコン端末で見ることができるようになっていました。それを始めてみた時は衝撃でした。また、カンファレンスでつかうスライドが現像を要するフイルムでなく液晶プロジェクターを使い始めたところでした。また、当時ダヴィンチという手術ロボットが導入されて、みんなで見学した覚えがあります。20年たった今、日本もやっとそういったテクノロジーの恩恵を普通に受けられる世の中になったんだなと実感しています。

  • 肩こりを治すには

    一日診察室で仕事をしていると、パソコンを操作する手と患者さんと話す口以外何も使いません。足腰の運動不足にならないよう、暇なときはスクワットをしたり、通勤は歩いています。おかげで足の運動はできていると思います。一方、上半身は全く使いません。パソコン操作に必要な指の運動だけです。姿勢も一定だと、血流が悪くなります。その結果、肩や首が凝ってきます。私だけでなく、会社づとめの多くの方が似たような状況だと思います。

    そのような症状に漢方だと桂枝茯苓丸加薏苡仁という処方があります。筋肉の血行を良くします。私がよく使う処方にもう一つ、麻杏薏甘湯というものがあります。この処方も筋肉痛をとるのに非常に効果的です。このふたつの処方に共通の生薬は薏苡仁(ヨクイニン)です。薏という字が入っているのでわかると思います。薏苡仁ははとむぎです。健康茶にも入っていますね。

    西洋薬だと、ミオナールという薬がこった筋肉をほぐしてくれます。私の外来ではかなり多用しています。私自身が自分の肩こりに使っているのはビタミン剤です。肩こりは筋肉に溜まった乳酸が痛みを起こしています。乳酸を分解するにはビタミンB3(ナイアシン)が必要です。また、乳酸をエネルギーとして再利用するためにビタミンB1が必要になります。ゆっくりとお風呂で温めて血行を良くし、筋肉に溜まった乳酸を血液中に流し、肝臓でビタミンの力で分解するのです。

  • 嗚呼、風邪で病院にかかる日本人

    1.17はあの阪神淡路大震災から25年でした。寒い時期だったんですね。昨日のように思い出します。そしてこの週末はセンター試験ですね。現行のセンター試験は今回が最後だそうです。例年センター試験のときには大雪が降ったりしてたいへんな季節ですが、受験生の皆さんは頑張ってください。

    風邪の患者さんが多いですが、今年はインフルエンザは非常に少なく、検査をしても陽性に出るのは毎日数名です。熱が出てもあわてて来院せず一晩くらい様子を見てから検査を受けましょう。タイミングが早すぎると正しい結果が得られません。私は滅多に風邪を引かないのでインフルエンザの検査も受けたことないです。ちょっと怪しいと感じたらビタミンCを1時間おきに1000mg飲みます。合計8~10gほど飲めばほとんど治ります。また、漢方なら板藍根(バンランコン)です。お茶のように美味しく飲めます。当院向かいの凌雲堂薬局で手に入ります。

    先日バラエティー番組で世界各国出身の人達がひな壇に座ってコメントしていました。話題は、日本に来てびっくりしたこと。アメリカ人が言っていました。「日本人は風邪で病院にかかるんですね。アメリカでは考えられません。寝てれば治るじゃないですか」それはアメリカが医療費が高いからでしょう、と言う話になっていましたが、「寝ていれば治るのにどうして病院に行くの」というのは真実だと思います。家で寝ていれば人に移すこともありません。本当はインフルエンザの検査もタミフルも高齢者や免疫の低下した持病のある患者さん(例えばがん患者)だけでいいのです。若くて元気な人は無駄な医療費を使わないようにしましょう(といいたいけど、学校や職場の人はそれを許してくれないのが日本の変な常識ですね)。

    生花です。何かわかりませんが迫力があります。新高輪プリンスホテルにて

  • ダッチオーブンを買ってみました

    先日、古くなったジャケットを断舎離しようと思いたち、せっかくなのでリサイクルショップに持っていきました。すると「ジャケットは当店では取り扱っていません」と言われたので、「それならただでいいです、寄付します」といったところ「それはできません。では1着1円で買い取らせていただきます」ってことで、2着持っていったので2円もらいました。その上、免許証の確認など結構面倒な手続きが必要でした。まあいいか。クローゼットが広くなったから。

    その後、店内をウロウロしていたら、アウトドアコーナーがあり、キャンプで使えるダッチオーブンが売ってありました。うちにはアメリカに留学中使っていたダッチオーブンがあるのですが、大きくて重いので、大勢で食べるなら便利ですが、少ない量の料理には向いていませんでした。今回見つけたのは少し小柄で使いやすそうだったので、買って帰りました。2500円でした。2円もらって2500円払って帰った計算です。

    ダッチオーブンは野外で焚き火料理に使うだけの器具ではありません。自宅のIHでも使えます。鉄の鋳物はIHの熱効率がよく、とても熱くなります。IHのパワーを落として料理できます。また、重い蓋のおかげで無水料理が美味しくできます。野菜から出る水蒸気が逃げずに肉野菜が蒸し焼きになりとても美味しいです。塩コショウだけで十分です。そして、鉄が料理に溶け込むので鉄分の補給になります。何よりいいのは、食材を入れてとろ火でコンロにかければタイマーを掛けてほったらかしでいいのです。本を読んだりテレビを見たりしているうちに料理が完成します。2500円のダッチオーブンのおかげで自由な時間が増えました!

    今回購入したダッチオーブン(メーカーなどは不明)