むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 肩こりを治すには

    一日診察室で仕事をしていると、パソコンを操作する手と患者さんと話す口以外何も使いません。足腰の運動不足にならないよう、暇なときはスクワットをしたり、通勤は歩いています。おかげで足の運動はできていると思います。一方、上半身は全く使いません。パソコン操作に必要な指の運動だけです。姿勢も一定だと、血流が悪くなります。その結果、肩や首が凝ってきます。私だけでなく、会社づとめの多くの方が似たような状況だと思います。

    そのような症状に漢方だと桂枝茯苓丸加薏苡仁という処方があります。筋肉の血行を良くします。私がよく使う処方にもう一つ、麻杏薏甘湯というものがあります。この処方も筋肉痛をとるのに非常に効果的です。このふたつの処方に共通の生薬は薏苡仁(ヨクイニン)です。薏という字が入っているのでわかると思います。薏苡仁ははとむぎです。健康茶にも入っていますね。

    西洋薬だと、ミオナールという薬がこった筋肉をほぐしてくれます。私の外来ではかなり多用しています。私自身が自分の肩こりに使っているのはビタミン剤です。肩こりは筋肉に溜まった乳酸が痛みを起こしています。乳酸を分解するにはビタミンB3(ナイアシン)が必要です。また、乳酸をエネルギーとして再利用するためにビタミンB1が必要になります。ゆっくりとお風呂で温めて血行を良くし、筋肉に溜まった乳酸を血液中に流し、肝臓でビタミンの力で分解するのです。