むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 話し方は難しい

    ふらっと本屋に立ち寄ったら平積みになっている本が目に止まりました。「神トーク(星渉:ほしわたる:著)」という本です。職場などで部下を頭ごなしに叱ったりしても部下のモチベーションは下がるだけでいいことはありません。この本にはそういうときにどのように話したらいいかが書いてあります。ひとつの章をみると、「否定しない」+「気づかせる」+「答えを言わない」+「正さない」の4つを気をつけると素晴らしい効果があると書いてあります。たしかに、きっと効果的なのだろうと思います。その他にも、すぐにも役立つ話し方が書いてあったので、とても勉強になりました。

    しかし、私のところに薬の宣伝に来る製薬メーカーさんが、時々このような相手に気づかせて自発的にその薬の価値を認めさせるトークをする人がいます。おそらく社内でトークを練習してくるのだと思います。こういう患者さんがいたらどんな薬を処方しますか?その時採血データがこんなだったら(例えば腎機能が悪かったら)どうしますか?その時はどういう薬を選びますか?まるで学生時代に口頭試問を受けているみたいで不快です。おそらくメーカーの言いたいのは「このような患者さんを見たときに(たとえば腎機能が悪い糖尿病患者に)うちの薬を思い出してくれ」というのを直接言わずに、私が自発的に考えてそういう結論に至ったかのように誘導するわけです。

    「気づかせる」+「答えを言わない」といえば、例えば部下に頼んだ仕事が期限を過ぎても上がってこないとき、「何ボサボサしているんだ!」と怒らず、「いつまでにしてと頼んだっけ?」と相手に気づかせろという話ですが、言い方を間違うと逆にイヤミな上司になります。本を読んで実行するのはいいですが、よく考えて上手に話しましょうね、上司の皆さん!