むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 慢性痛を治す

    ためしてガッテンを見ていたら、慢性疼痛の話でした。腰痛を始め慢性化してしまうとその痛みはなかなか取れません。もしかしたら一生続くかもしれません。そう考えると、気持ちも沈んでしまいがちになるし、今まで趣味としていたことも諦めてふせってしまう人も多いようです。今回のがってんで言っていたのは、このような慢性痛に悩まされる人は、痛みをなんとか克服しよう、治して元通り元気になりたい、と痛みに対して正面からぶつかり、一日中そのことを考えていますが、それをやめることが第一歩だとのこと。要するに、痛みはあっても仕方ない。それがあってもやりたいことを諦める必要はない。カラオケが好きなら歌えばいいし、映画が好きなら愉しめばいい。そんな内容でした。

    慢性化した痛みは、痛い場所が悪いとは限らないというのが最近の話題です。頭に痛みが染み付いていて、勝手に痛みと感じてしまうのです。このように頭に染み付いた痛みを和らげる薬があります。当院でも結構使っていて、手応えを感じています。残念ながら100%効くとは言えませんが、今までなかなか取れなかった痛みが取れる場合があります。

    ガッテンでは痛みの日記をつけることを推奨していました。日記をつけることで、痛みが軽かったときの行動パタンが見つかることがあるからだそうです。しかし、私はこれには反対です。記録すると、とるに足らないほど些細な痛みにまで注目してしまい、痛みに敏感になってしまうからです。日頃の診療で感じる痛みに最強の人は認知症の人です。転んでも歯が折れても全く痛かったことを覚えていません。痛みに対する恐怖心がないことこそ最強だとつくづく実感します。