むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 夏の漢方

    私が漢方の勉強を始めた25年くらい前に中国のハルピン大学から熊本大学の発達小児科に留学してこられていた趙先生という先生がいました。当時ユニック(いまのアトル)という薬品卸の事務所で漢方の勉強会があっていました。それから延々と25年以上たちましたが、趙先生は今もお元気で漢方のセミナーをされています。今日は夏の漢方の講義でした。

    夏には夏バテ、熱中症、冷たいものの食べ過ぎでお腹が痛い、下痢するなどがよく見られます。このような症状に対して,西洋薬はほとんど無力です。せいぜい脱水に点滴をする程度でしょう。一方、漢方は寒熱虚実を調整するのが得意ですから、夏の暑さを冷ましてくれる処方はいろいろあります。胃腸が弱ったときにそれを立て直す処方も有ります。西洋薬で胃酸を抑えたりする薬では調子は良くなりません。

    漢方では夏バテをいくつかのパタンに分類します。暑邪(暑さにやられてきつい)に対して白虎加人参湯、清暑益気湯。湿邪(湿度にやられた)に五苓散、胃苓湯。脾胃気虚(胃腸が弱った)には六君子湯、補中益気湯。脾陽虚(冷房や冷たい物の飲み過ぎで体調を壊した)に人参湯という感じです。趙先生には25年以上教えてもらっているのでほとんどの内容は知っているのですが、それでも言葉の端端にキラリと光る漢方のコツを教えてくれるので勉強になります。私の大師匠です。芦北の中医クリニックにおられます。

    ソウルのコンビニで買ったどくだみ茶