むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • フレイル(衰弱)について

    フレイルの勉強会に参加しました。フレイルというのはここ数年のはやりですが、加齢に伴い心身の衰えをきたすことを英語でフレイルティというそうです(https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/about.html)。それを日本人の好きな4文字カタカナで表したものです。歳を取ると誰もが筋力など低下しますが、問題は病気で入院した時です。手術などを受けるとしばらく動けないし、食欲も落ちると途端に筋力が低下します。うごけると思ってもふらつきます。また、元気に退院してからも、家に帰ってみると1か月ほどたつと退院した時よりさらに体調は悪い場合が多いそうです。

    これがなぜか考えると、フレイルはおそらく胃腸機能が低下しているのが問題なのだろうと思います。退院すれば、食事は自分で何とかしないといけません。自分で作るか家族が用意するかです。栄養士もいませんから、食べたいものを食べたいだけしか食べないと思います。そうすると、高齢者の場合、口当たりのいいうどん、そうめん、ご飯に漬物みたいな炭水化物に偏った食事になると予想されます。圧倒的にたんぱく質が足りません。筋肉はタンパク質ですから、肉や魚を食べないと筋肉がやせ細るのは当然のことです。

    今日の漢方セミナーではフレイルに人参養栄湯が有効という話でした。人参養栄湯は胃腸機能を高めるため、食事が入るようになります。その結果、フレイルが予防できるようです。一方、栄養そのものについて考えると、やはりたんぱくが一番大切ですから、歳をとっても肉や魚をしっかり取ってもらいたいのです。あっさりしたものしか受け付けないという場合、プロテインがおすすめです。ココアみたいに水や牛乳で溶かして飲むだけですが、必要なたんぱくが簡単に取れます。コレステロールの心配もありませんからたっぷりとって大丈夫です。