むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 日頃の逆をしてみる

    鹿児島に神田橋先生という高名な方がおられます。精神科の先生ですが、漢方にも詳しく、最近「心身養生のコツ」という本を出版されました。これまでの臨床経験の集大成的なものです。読み始めたら、とても面白く、引き込まれました。とても奥が深くて難しいので、何度も読み返さないと理解できないかもしれませんが、表面的にでもわかったような気がして、部分的にですが、印象的だったところを紹介したいと思います。

    自然治癒力を借りた養生法です。著作権もあると思うので詳しくはかきませんが、私が理解したのは、通常の逆のことをすると歪みが取れるということです。たとえば仕事で座ってばかりいる人は週末歩いたり走ったり運動をする。日頃冷房のきいた寒い部屋にいる人は週末暑いサウナで汗を流す。パソコン作業で前かがみ(猫背)になっている人は、後ろにそってみる。テニスで右手ばかり使う人は左手で素振りしてみる、という具合です。

    他にも、日頃食べすぎている人は週末にプチ断食をする、日頃家庭や仕事に縛られてストレスがたまっている人は週末ふらっと外出する。この外出を神田橋先生は「週末蒸発」とよんでいます。面白いネーミングです。昔はよくどこかの奥さんが蒸発したとか言っていましたが、最近は死語に近いですね。考えてみたら、蒸発しても携帯が通じるので、「あんたいまどこ?」と電話すれば居所がつかめるからでしょう。それにしても、週末携帯を切って鈍行列車かなにかでふらっとたびに出るなんてたしかにストレス解消にはもってこいかも知れませんね。