むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 糖尿病の合併症

    月曜は患者さんも多く忙しかったですが、夕方仕事が終わると同時にクリニックを出て医師会の心臓検診班会議に出席。8時過ぎに終わったのですが、まだ明るかったです!ちょうど先週末が夏至だったので、一番日が長い時期です。会議が終わってから次に糖尿病性網膜症の勉強会へと足を運びました。1時間ほど勉強しました。

    私は以前働いていた桜十字病院で、内科外来とは別に透析担当でした。血液透析は腎不全患者さんの治療ですが、腎不全を起こす原因で最も多いのが糖尿病です。糖尿病の管理といえば、採血をして血糖を測り、薬を調整するだけと思われがちですが、血糖を下げているのは単なる指標であり、目標ではありません。目標は、透析などの合併症を起こさないことです。腎不全の他にも心筋梗塞や脳梗塞、網膜症(失明の危険性)、閉塞性動脈硬化症(足の血流が悪くなり足の切断など大変なことになる)などを起こさないよう細心の注意を図ります。それでも、眼科などは目の検査をするまで状況がわかりませんから、定期的に眼科には通院していただくことをおすすめします。

    実は、不思議なことに従来の薬剤でどんなに頑張って血糖をコントロールしても心筋梗塞などはあまり減らないことが知られていました。それでは我々の敗北です。ところが、SGLT2阻害剤という種類の糖尿病治療薬が出てきてから、ことごとく心疾患の改善効果が証明されたのです!今や糖尿病患者さんが心筋梗塞などでなくなる確率はかなり改善したのですが、長生きできるようになった分がん患者さんが増えています。糖尿病はがんでなくなる時代になったのです。やっぱり糖尿病は怖いですね。

    俵山 「萌の里」のポピー畑

    3年前ここでポピーの写真を撮った数日後に大地震。怖いですね~。

  • 私の時間管理術

    当院を受診される方は、他の内科クリニックよりかなり平均年齢が若いと思います。30−40才台もたくさん来られます。このような若い世代に多いのが、子育てと仕事の両立の大変さです。体を壊してもおかしくありません。しないといけないことが山のようにあり、自分の時間が持てません。睡眠も食事も疎かになっています。このようなお母さんたちの時間管理をどうしたらいいのか考えました。

    まず、わたしたちが高校生ぐらいの時を思い出してもらいたいのですが、期末テストなどで膨大な量の試験範囲を限られた期間に勉強するのは大変でしたよね。諦めて勉強しない、というのは無しにして、どこまで効率的に勉強するかを考えます。例えば、一教科ごとに済ませる方法、これだと、最後までいきつかない可能性があります。苦手な理科は後回し、とかしていると国語、数学までは間に合ってもその先が全然だめで追試になるかもしれません。私が勧めるのは全教科7割でいいとしてざっと流すことです。時間に余裕があれば、最初からもう一度やって8割を目指す。これの繰り返しです。医学部の国家試験の勉強などはまさにこんな感じです。さもないと量が膨大すぎて手におえません。

    これを毎日のスケジュールに応用すれば、家の掃除や草取りなどで完璧をめざさないことです。更に言うなら、時間を決めて、草取りは15分でできるところまでとします。残ってもあとは次回に回す。次に掃除機。10分でできるところまでやったら終了、と学生の時間割みたいにするのです。完全でなくても手を付けた、できるところまでやった、というのでいいのです。完璧主義の人ほど先に進まずイライラしたり自分を攻めたりします。そうならないために、時間割を毎朝一番で決めたらいいのではないかと思います。

    日曜夕方6時過ぎにふと思い立って久木野のグリンピア(アスペクタ)まで行きました。7時ごろ着きましたがまだ明るかったです(写真)。露天風呂から見る景色もお湯も最高でした。

  • 睡眠について

    皆さんは何時間睡眠ですか?よく眠れていますか?私はだいたい11時半に寝て5時半に起きるので6時間睡眠です。まだ若いですから(笑)寝る直前にお酒やコーヒーなどを飲んも夜トイレに起きることはありません。寝る前にはスマホなどのブルーライトを避けるようにといいますが、私はiPadをベッドまで持ち込んで寝る直前までネットを見ています。朝起きは、そのiPadに設定してあるベッドタイムというアプリが5時20分に目覚ましを鳴らしてくれます。そこで起きるときもありますが、あと数分と思って二度寝すると、腕にはめたスマートウィッチがブルブルと震えて起こしてくれます。このスマートウォッチをはめて寝るようになってからは、二度寝をしすぎることはなくなりました。さらに、睡眠の質が良かったかどうかも起きてからスマホのアプリで確認できます。とても便利です。

    私の場合、土曜は仕事なので、通常通り起きます。日曜を寝だめするかどうかが問題です。寝ても7時には起きます。ゲンキの時間というテレビを見るためです。しかし最近は土日しかできない雑用などがたまっているため、日曜もいつもどおり5時半おきが多いです。先週末は漢方合宿で阿蘇にいましたが、やはり5時半に起きて朝のウォーキングをしました。清々しい朝でした。

    ところで、私は毎日ビタミンB50, C1000, E400, ナイアシン、ビオチン、亜鉛、マグネシウム、DHA/EPA,アルギニン・シトルリンをとっており、週に1回D1万単位、A1万単位、K100をとっています。すごく体調がいいです。ビタミンを減らしても体調がキープできるのか確かめるため、この2週間ほどB,C,Eをいつもの半分量にしてみたところ、やっぱり少し疲れが残るようです。またもとの飲み方に戻したら、絶好調です。厚労省などが一日必要量と言っている量は病気にならないためのギリギリのラインです。わたしたちが日々マックスの体調で精力的に仕事するにはその数十倍のビタミンが必要だということです。

    萌の里

  • 生活習慣病は放っておかないことが大切

    生活習慣病は、以前は成人病と呼ばれていました。高血圧、糖尿病、脂質異常症などがそれに当たります。多くの人は、健康診断で初めて異常に気づきます。つまり、ほとんど自覚症状がないのです。 しかし、放っておくと将来心筋梗塞や脳卒中など、取り返しのつかない病気になりやすことがわかっています。このような状態を東洋医学では未病と言って、病気になる前の状態として扱います。西洋医学は、診断技術の進歩から、未病をあきらかな異常としてとらえることができるのです。

    日本は今、超高齢社会を迎えています。働き盛りの人たちは、自分が定年したら海外旅行をしたいとか、田舎で家庭菜園を作りたいとか、いろんな夢を持っていると思います。しかし、それは、健康であって初めて実現する夢なのです。老後を健康で生きるためには、若いうちから気をつけないといけません。血圧、血糖、コレステロールの異常は、生活習慣の乱れの結果おこってきます。まずは、食事をただし、運動不足を解消することが第一です。それでも数値が改善しない場合は、薬による治療が必要となります。

    脳卒中、心筋梗塞などの病気は、昔ならそれが命取りになっていましたが、最近では、それで死んでしまうことは少なくなりました。しかし、その代わりに、後遺症の半身不随や心不全に悩ませられながら、老後を暮らすことになります。高額な医療費もかかるし、体が不自由では夢見た幸せな老後とは程遠いものとなるかもしれません。生活習慣病は治療可能ですから、そうなる前にきちんと管理しましょう。

    萌の里

  • 学説にはいろいろあって当然

    このところ、健康番組が盛んです。雑誌や健康関連の書籍もたくさん出ています。興味を持っていろいろ読み漁ると、矛盾した意見が出てきます。ある食材が健康にいいとかいてあったり、逆にその食材はよくないと書いてあったりです。素人の皆さんは判断基準がないのでどっちを信じていいかわからず迷ってしまうことでしょう。あるときは一喜一憂して、結局どうしたらいいの?と途方に暮れたりします。わたしたちはプロですから、大元の参考文献(英文原著)までさかのぼって真相を探ることができます。論文化されていても、その結果は限定的な条件下で正しいことを勝手に拡大解釈しているとか、研究結果を応用するにもどのあたりに限界があるかは大体わかります。こういう教育は医学部では受けません。大学院で医学博士レベルの研究をした人にしか理解できない世界です。

    例えば「りんご医者いらず」という言葉から、りんごは体にいいという仮設を立てます。しかし、りんごを育てるには11回消毒しないといけないという事実(https://ameblo.jp/mamamyumi/entry-12141689861.html)から皮はむかないと体に悪いとか、最近のりんごは品種改良されていて糖度が高いので毎日食べれば糖尿病になる、などという批判も出てきます。本を読めばいいという本とだめという本があるでしょう。結局どうしたらいいのか、おそらくわからないと思います。

    わからないときには自分の体に聞いてみることです。感性を研ぎ澄ませて、食材を食べてみる。体にいいか悪いかは何となく感じるはずです。美味しかったとか、甘かったとか、そういうレベルの話ではありません。体が求めている栄養が入っているかどうかということです。自分でわからなかったら、信頼できる先生の著書を信じるまでです。信じないと効果は出ません。

    久木野。雨が降らないので田んぼに水がありませんが、もう作付けしないとタイムリミットでしょう。熊本市内は白川から井手を引いているので水は入っています。