むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ビタミンCを入浴剤にするh

    日曜はいい天気でした。マラソン日和だったと思います。昼は走るにはすこし天気が良すぎて暑かったかもしれません。参加した皆さん、お疲れ様でした。昨日書いたように、体をケアしてください。日頃ジョギングすることは体にいい習慣だと思います。しかし、フルマラソンはさすがに体にいいとは言えません。十分鍛えておかないと故障します。膝や股関節その他使いすぎて後遺症が残るようだとせっかくの運動が台無しです。私たちは人生90年の時代に生きています。90過ぎまで使うには無理なことをしてはいけません。骨も関節も大事に使わないともちません。私がランニングを止めてウォーキングに変えたのはこれも一つあります。

    さて、走ったあとはお風呂です。皆さんお風呂に入浴剤など入れますか?私は、市販の入浴剤の化学薬品みたいな香りが苦手です。入浴剤の主要な成分は重曹です。掃除にも使える重曹を大さじに2−3杯お風呂に入れれば立派な入浴剤になります。香りをつけたければ、それにアロマオイルを数滴入れればゴージャスなお風呂になります。私が時々入れるのはカミツレ、ゼラニウム、ラベンダなどです。風邪対策にはユーカリ、頭をすっきりさせるにはレモングラスやローズマリーもいいと思います。オレンジやレモンなどの柑橘系は香りはいいのですが、肌に残ると日光過敏を起こすそうなので、止めたほうがいいと思います。

    私は小さい頃から一番風呂が苦手でした。なぜか理由はわからなかったのですが、最近その理由に気が付きました。カルキです。あのチクチクと肌をさす感触が嫌なのです。一番風呂はそれがとても強いのですが、何人か家族が入ったあとはその刺激はなくなります。しかし、最近そのカルキを一発で消す方法に気づきました。お風呂にビタミンCを入れるのです。ほんの1g程度でいいようです。私は食品添加物としてネットで手に入るアスコルビン酸(ビタミンC)の粉をキロ単位で持っていますが、多すぎて使いみちを考えていたのですが、ビタミンC風呂は贅沢です。ほんのスプーン1杯お風呂に入れるだけでカルキが中和されて水質が改善します。美白にもいいはずだし、まるで化粧水風呂です。ぜひお試しください。

  • マラソン後の体のケアには

    いよいよ熊本城マラソンですね。私も開業するまでは毎日ランニングを欠かさず、月に200キロ、年で2400キロを走った年もありました。しかし、開業の準備を始めた頃から、走る時間は取れなくなり、ついには全く走らなくなりました。今はもっぱら通勤のウォーキングです。マラソンに出場する皆さん、頑張ってください。いま私の熱中している分子栄養学でマラソン後のケアを考えてみましょう。まず、筋肉で発生する大量の乳酸が筋肉痛を起こします。肝臓で乳酸脱水素酵素(LDH)が分解してくれますが、LDHが作用するにはナイアシン(ビタミンB3)が必要です。またその周辺でビタミンB1, B2、B6などが必要となります。マラソン中に水分補給はすると思いますが、大量の汗をかきますから、水分だけでなくナトリウム(塩)の補給が必要です。ダメージを受けた筋肉を修復するにはアミノ酸が必要となります。肉や卵などのタンパク質をしっかりとる必要があります。

    マラソンで足がつるのは筋肉疲労ですが、脱水で筋肉の血流が落ちるとつりやすくなります。十分な水分と塩分の補給が足のつりを改善します。漢方の芍薬甘草湯も足のつりに効くのですが、私もフルマラソンで足がつったときに何度となく飲みましたが、焼け石に水でした。よく考えると、筋肉の収縮はカルシウムの働きで、それを緩めるのはマグネシウムです。走っているときの発汗でマグネシウムを失うのも問題かもしれません。沿道のエイド(補給所)で例年「走ろう会」が出しているブースでは味噌汁が振る舞われます。味噌汁には塩分だけでなく豆腐やワカメからマグネシウムも補給できます。足がつるのには最高の栄養となります。

    走ると大量の酸素を必要とします。過剰な酸素は活性酸素となって体を酸化します。酸化は老化です。酸化から体を守るのはビタミンCとEです。走ったあとは大量のビタミンCをとっておくことをおすすめします。活性酸素を除去してくれるSODという酵素はマンガンと亜鉛が必要です。また、マラソン後に打ち上げがあれば、当然お酒が入ると思いますが、アルコールは体を脱水にします。さらに水分を取る必要があります。また、マラソンで溜まった乳酸を分解するため肝臓はフル稼働しているため、お酒を入れてしまうと肝臓の負担はさらに増えてしまいます。このアルコールを分解するアルコールデヒドロゲナーゼという酵素もナイアシン(B3)を要求します。乳酸を分解するLDHもナイアシンを要求するため、ナイアシンが十分ない場合競合してしまいます。したがって飲み過ぎには注意が必要です。

    膝などの炎症で熱を持っているときはしっかりと冷やしてください。湿布を貼るのも効果的です。ぬるめのお風呂でゆっくり体をマッサージするのも良いと思います。

    ガンナム(江南)

  • 時間泥棒

    ホリエモン(堀江貴文)の「多動力」という本を読みました。Kindle Unlimited(アマゾンキンドルのサービス)の人は無料で読めます。私もアマゾンキンドルで読んだので無料でしたが、お金を払ってもいい内容でした。言うまでもなく著者のホリエモンは多動症で、じっとしていられない性格です。楽しいこと、面白いことがあればすぐに飛びつきます。結果的にそれがビジネスにつながればよいし、つながらず損しても楽しんだらOKです。最近は北海道で民間ロケットを打ち上げようとして失敗続きでなにやってんだろうという気もしますが、本人は楽しんだものがちだと言うところでしょう。仕事で悩んでいる人は一度読んでみるといいと思います。

    一晩に行けるレストランは1件というのは単なる思い込みで、やろうとおもえば一晩に10軒のはしごでもできる、なんて言うのは私が韓国で実践したことそのものです。私たちの時間は限られているのですから、したいことをどんどんすればいいと思います。時間はとても大事なので、自分の時間を横取りしてくる人とは付き合わないこと、これはとても大切です。私たちが患者さんと話しをする時間は仕事そのものですから構わないのですが、製薬会社の人たちが用もないのに挨拶に来るのは迷惑以外の何物でもありません。結局自分の会社の薬を使ってくれと言って帰っていきます。何か役に立つ情報でも持ってきてくれれば会った甲斐があるのですが、殆どの場合、単なる時間泥棒です。

    もう一つ迷惑なのが、会社の上司が患者さんのことについて問い合わせてくることです。ストレスで仕事に行けなくなった患者さんが仕事に復帰できるかどうかなんて、私に聞かれてもわかるはずないです。やってみるしかありません。そもそも会社の超多忙な環境だったり有無を言わさず仕事を振ってくる上司が問題で体調が悪くなっているのですから、そこが改善しないのにうまく復職できるかなんて私に聞かれてもわかりません。そこを棚に上げておいて患者さんが復職可能かとか、復職に際しての注意点を教えてほしいとか聞きに来るのは単なる会社のパフォーマンスであり、実際に患者さんのことを思っているわけではない気がします。こういう人たちにつきあわされるのは私にとっては時間泥棒そのものです。

    ガンナム(江南)、ソウル

  • じんま疹

    この1週間位じんま疹で苦しんでいます。最初は乾燥肌がかゆいだけかと思って保湿剤を塗っていましたが、だんだんひどくなってボコボコに皮膚が盛り上がってきました。よく見たらじんま疹です。なにが原因だろう?と考えても、サプリなどを毎日10種類ほど飲んでいるのでどれがいけなかったかわかりません。ふと思いついたのが、ある漢方薬です。風邪の予防に最近2ヶ月位せっせと飲んでいたのが、今頃になってアレルギーを起こしたようです。実はこの漢方薬は去年の冬にも飲んでいて体が痒くなったので止めていたのですが、その教訓をすっかり忘れていました。おかげでカユイカユイの毎日です。今週は当院にも数名このようなじんま疹患者さんが来られているので、そんな季節なのかもしれません。

    じんま疹は通常抗ヒスタミン剤の内服で治療します。多少眠気が来ますが、そのほうが効果も強いと考えます。私の場合、1日に100名近くを診察するのに、ちょっとでも眠気が来ると診察のパフォーマンスが落ちるので、朝から抗ヒスタミン剤は飲めません。仕方ないので夜だけ飲んでいます。また、症状がひどいときはステロイドも使いますが、私の場合、毎日インフルエンザなどの感染症患者さんに接するためステロイドはあまり使えません。免疫力を落とすからです。

    そういうわけで、自分にはあまり積極的な治療ができずに、かゆみはどんどん悪化し、仕方ないので、かゆいところには液体ムヒを塗っています。ムヒも抗ヒスタミン剤なので、効くのは効くのですが、全身に塗るとヒヤヒヤして寒いです。こんなので風邪引いたら笑いものですね。

     

    ソウルタワー

  • ネーミングの重要性

    子供が出来たら「名前なんにしよう」という話になることでしょう。それと同じで、クリニックなどをオープンする際にもそのネーミングにはひたすら頭を悩ませます。それほどネーミングは将来を左右する重大なものです。ところが、私の家の近所に看板も名前もないパン屋があります。みんなこの店を話題にすることは殆どないと思います。なぜなら、名前という共通認識がないため、あの店美味しいよとか、あの店をネットで検索しようというときにキーワードがないのです。もし、名前がなくても「クロワッサン専門店」など、なにか際立ったキャラクターがあれば、勝手なあだ名が付きますからいいんですが、そうでもない場合、早晩世の中からは忘れ去られる運命だと思います。

    病気にもネーミングが重要な働きをします。2005年に突然世にあらわれたメタボリックシンドローム(いわるるメタボ)という言葉は有名です。これは、内臓脂肪、高脂血症、高血圧、高血糖の4つが寿命を縮めるリスクになるというものです。診断基準の内臓脂肪は本来CTをとらないと計測できないのですが、便宜上腹囲測定で代用したため、なんとなく肥満=メタボという雰囲気が世に広まりました。腹囲を測っても、それが内臓脂肪ではなく皮下脂肪だったら、メタボのリスクではないし、そもそもメタボリック症候群というものの診断基準は肥満ではなく、内臓脂肪蓄積(腹囲が基準以上)+脂質、血糖、血圧の3つのうち2つ以上が基準を超えるものですから、血圧や脂質が正常で単なる肥満者はメタボの診断にはあたらないのです。しかし、これをメタボと呼んで、肥満者の代名詞にしてしまったため、取り返しがつかない誤認識が世に広まってしまいました。

    今日、ためしてガッテンを見たら、「肩こり」と「首コリ」は別物だと言っていました。これは、「首コリ」という概念を区別してネーミングすることで、治療方法も異なることをはっきりさせるという意味で大切なことです。今日のがってんで言っていたことは、私も日頃患者さんに鍼治療をする立場として認識していましたが、鍼灸師さんがちょっとしたテクニックを番組で披露していたのを見て、目から鱗が落ちました。

    ソウル 明洞